2016年3月29日火曜日

ワールドトリガー × 人をイラッとさせるアドバイスとは?

アドバイスしてあげたのに、イラッとされたことありませんか?

つい先日、自分も友人にうっかりやってしまいました。
今では「もっと良い言い方もあったんじゃないかなあ」と後悔しているのですが、しかし気づいたときには、もう手遅れという(笑)
友人との集まりだったんですが、へんな雰囲気で解散となってしまいました。

あなたも、そんな経験があると思います。

子どもに対して、もっと勉強するように諭したり。
職場の後輩に、もっと真剣に仕事に取り組むように言ったり。
同僚や友人に、もっとこうした方がいいと具体的にアドバイスしたり。

アドバイスというのは、ほぼ全て『相手のことを考えて』の発言だとは思うのですが。
その割には、「わかってるよ!」「今からやろうと思っていたのに!」「なぜオマエに言われなくてはいけないんだ!」など、なぜか反発を生むことが多いのも事実です。

その結果、こっちも「お前のことを考えて言ってやってるんだ!」とさらに反発してしまい、その場の空気を物凄く悪い状況にしてしまったりすることもあります。

相手のことを考えているのに、ケンカになってしまったりする『アドバイス』。

今回はそんな「売り言葉に買い言葉」的なアドバイスからの流れがわかる、週刊少年ジャンプ2016年17号掲載『ワールドトリガー』 第137話「香取隊」のシーンとあわせて、人をイラッとさせるポイントが何なのかをご紹介したいと思います。
(良ければ、「香取」という女性がなぜイラッとしたのかを考えながら、シーンを見てみてくださいね!)



■ 連敗続きで凹んでいるチームメイトにかける言葉は…?
(※ 以下に掲載した画像は紹介作品からの引用で、著作権は作者および出版社にあります) 

街を外敵である「近界民(ネイバー)」から守るために存在する、界境防衛機関「ボーダー」。
『ワールドトリガー』 第137話では、その「ボーダー」に所属する各チーム同士の対戦で各部隊のランクを決める「ランク戦」が行われる直前です。

今回のランク戦は、B級に所属する3チーム「玉狛第二」「柿崎隊」「香取隊」によるものです。
各部隊、試合直前の会議でしっかりと作戦や対戦チームの情報の確認を行うなか、香取隊だけは少し雰囲気が違いました。

香取隊はランク戦での連敗が続いており、その結果前の試合でB級の上位から中位に落ちてしまった後でした。
結果が出ていないことで、隊長である香取は相当へこんでいるようでした。
そんな状態のためか、作戦会議にまともに参加しようとしない彼女に、若村は責める言葉をかけます。
「……いい加減にしろよ葉子。ちょっと負けたくらいで毎度毎度……」
「ちょっと躓くたびにコロコロやること変えやがって!」
その言葉に、イラッとする香取。

彼女は、若松の実力や評価を引き合いに出し、反撃します。

香取よりも、自分の実力の方が下。
それを認めつつも、彼女が真剣にやっていないことを指摘する若松。

お互いのイライラをぶつけ合うことになった言い合いは、お互いの沈黙の後。

「なに熱くなってんの……だっさ」

と、冷たく反応する香取のひと言で収束したものの…チームの雰囲気は最悪でした。

何とかしてほしいと他のチームメイトが助けを求めた先のオペレーターが3人にかけた言葉は、
「時間よ」
作戦会議のタイムリミットを告げるものでした。



■ 人からの提言やアドバイスにイライラするのは何故か?

さて、どこが香取をイラッとさせるポイントだったか、おわかりになったでしょうか?

やはりポイントは直前の若村の発言、

「ちょっと躓くたびにコロコロやること変えやがって!」

にあるように感じると思います。
この発言の、いったい何が彼女をイラッとさせるのでしょうか?

よく一般的に言われるのは「指摘が的を得たものだったから」というものでしょう。
今回の場合も、もしかしたら指摘は的を得ているのかもしれません。
…がしかし、現時点では『確実に的を得てる』とも言えないと思います。
なぜなら、コロコロ変えていたら本当に自分に向いているコトを見つけられる可能性だってあるからです。

では、理由はなんなのか?

はっきり言える理由。
それは、この発言が香取が抱える課題に土足で踏み込む行為だからなのです。

実は、人は自分の問題に、頼んでもいないのに他人にズケズケと入って来られると、イラッとするのです。

もう少し違う言い方をシーンを使ってすると、「ちょっと躓くたびにコロコロやることを変える」ことを続けた結果(責任)を最終的に受け入れるのは香取自身なのにも関わらず、その問題に若松が横から土足で踏み込んだからこそ、香取はイラッとしたわけです。


もしかすると、これでもちょっとわかりにくいかもしれません。
なのでさらに、「子どもに勉強をさせようとする親」という比較的身近な例に当てはめて考えるようにしたいと思います。


たとえば、目の前になかなか勉強しようとしない自分の子どもがいるとします。
そしてあなたは、なんとかその子に勉強をさせたいと考えたとしてみてください。
さてあなたは、どうするでしょうか?

こういうとき、一般的には「親が子どもを叱る」「勉強せざるを得ないように、塾や家庭教師といった環境を整える」という手段を取るのが普通だと思います。
ではそのとき子供は、

「将来のために勉強する環境を親が勝手に整えてくれたよ! わーい!\(^o^)/」

という反応をするでしょうか? まあならないですよね(笑)
叱られれば反発しますし、百歩譲って勉強をするようになったとしても、そこから勉強を好きになってくれる子どもは少ないと思います。
むしろ、それが原因で勉強が嫌いになった人も、実際に多いのではないでしょうか。

なぜそうなるかというと、「勉強をせずに困るのは子ども」だから、つまり『勉強をするのは子どもの課題』だから、なのです。
つまり、子どもに勉強するように叱ったり、子どもが勉強せざるを得ない状況に追い込むことは、全て子どもの課題に親が土足で踏み込む行為なわけです。

それを親は「子どものことを考えて…」と言いますが、大体は「子どもがまともに成長しないと親として…」という考えからきているもので、結局それが「親としての問題」、つまり自分自身(親本人)の問題に置き換わっていることに、気づいていないのです。

頭ではここまでわからなくても、このことを子どもは敏感に察知します。その結果、反発心を覚えるわけです。
これを漫画のシーンに当てはめて考えると、

子どもにとっての「勉強」 = 香取にとっての「成長や結果のための手段」
親の「叱る」や「家庭教師をつける」 = 「まともに作戦会議に参加しろ」「ちょっと躓いたくらいでスタイルをコロコロ変えるな」という若松の発言

となります。
そもそもスタイルをコロコロ変えているのも、香取が自分なりに考えたり経験則から導き出したりした結果だと思うので、それを真正面から否定されれば、そりゃイラッともしますよね(笑)


こうして、他人の課題に土足で踏み込んだ結果は、反発心を生むことになります。

ただそう結論づけるだけだと、
「じゃあ子どもも香取も放っておけばいいんですね!! 自分の子どもがどうなってもいいんですね!!」
と放任主義になりがちですが、何事もそういうわけにいかないのが辛いところですよね(笑)


では、子どもや周りの人の成長を促したいときには、どうすれば良いのでしょうか?

そんなときは、それが本人の課題であることを伝えた上で、その問題を解決する援助の準備があることを伝えるだけに留めるように心掛けると良いようです。

例えば子どもの勉強の例であれば、自分が勉強をしなかった場合どういう問題が将来待っているかと、その勉強をするための援助(塾や家庭教師など教える手段)の準備があることを子どもに伝えるのみに留めてみてはどうでしょうか。

もちろん、そうやっても子どもはもしかしたら勉強しないままかもしれませんが(笑)
少なくとも、反発心を覚えたりイラッとしたりして、ケンカになってしまうようなことは防げるはずです。

漫画のシーンの例でも、

「次の戦いに勝つために、作戦会議に参加しないか?」
「もし負け続けたことで落ち込んでいるなら、だからこそ次の戦いに勝つことが大切だと思うんだ。だから、真剣に作戦会議をしてみないか?」
「もし『上級者の壁』を今回も感じているなら、この戦いでそれが何なのか、壊すのか乗り越えるのか、回り込んで向こう側へ行くのか。勝つための方法と合わせて、それを一緒に考えてみないか?」

など、言い方はいろいろあると思います。

まあ、勉強の例と同じく上の例が全て良い結果を生むかどうかはわかりませんが(笑)
少なくともケンカにはならずに、香取が本当に落ち込んでいるのか、それとも悲観的に考えることで、落ち込んで焦っている自分を静かにして落ち着かせようとしているだけなのか等、話は建設的な方向に進むと思います。


仲間にかける熱い言葉が、その人を動かすことも確かにあります。
しかし人はイラッとすると、香取のように相手を攻撃してしまいがちになり、話は解決の方向へは向かわないことが多くあります。
だから問題を解決するには、まずはイラッとさせないことが大切ですよね!

「あの人、もっとこうした方がいいのに」
そう身近な人に思ったときには、今回の記事のことを知っているだけで、そのアドバイスの言い方は、少し変わると思います。
またそうすることで、「せっかくアドバイスしてやったのに!」と自分がイライラすることも少なくなると思います。


なので機会があれば、このシーンと知識をぜひ思い出してみてくださいね!



記事を最後までお読み頂き、ありがとうございました!!

(※ 掲載した画像は紹介作品からの引用で、著作権は作者および出版社にあります)


※参考書籍 「嫌われる勇気」(岸見一郎 古賀史健 著、ダイヤモンド社)
   『課題の分離』についてのところで、「他者の課題に土足で踏み込むこと」についての考え方が紹介されています!
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