2015年11月16日月曜日

姉ログ × 「ネガティブ」な部分が説得力を上げる

今回は週刊少年サンデー2015年50号掲載、姉ログ 第260話「福山ブルーバード」のワンシーンを例に、信憑性を上げて納得されやすくなる話し方(テクニック)の1つをご紹介したいと思います。


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「姉ログ」の登場人物のひとり、福山 陽平(ふくやま ようへい)は、「モテたいけれどモテない男子」です。

今日もいつも通り福山は、彼の友人であり主人公の弟でもある近衛 輝(このえ あきら)に「モテたい」と愚痴をこぼしています。

しかし今日は、それが特にひどい感じでした。

「一生独り身で過ごすのかも」
「たまーにモテたと思ったら怪しいツボとか絵とか買わされて、美人局や結婚サギにも引っかかって、気づけば借金まみれの人生…」
「その返済のために地下送りにされて強制労働の日々」
「その果てにひっそりと孤独死」

など、悲観しまくります。

「飛躍しすぎだろ!!」とつっこむ輝に対しても、「誰も俺のことなんてわかっちゃあくれねーのさ!!」なんて泣き真似をする福山。

そんなひどい有り様の福山に対して輝は、

「そんなことねーよ。少なくとも…俺はお前の良さをわかってるつもりだ。」

と真顔で返し、こう続けます。

「パッと見、ガラ悪く見えるけど、中身は反面いいヤツだ」
「小さい子や年輩の人にも優しく接するし、慕われやすい」
「文化祭や体育祭、地域の美化活動とか…そういうイベントにも面倒くさがらずに積極的に参加する。マジメなんだよな、根が」

「勉強はまあ…うん、苦手だよな。学年でもだいぶ下の方だし。けど体力はあるし根性はあるしで、バイト経験も豊富だ。生活力っていうのか? それは凄いよな」

「そして何より…友達想いなヤツだ。姉貴目当てで俺に近づく連中を、福山は中学ん時からずっと制してくれていた」

そして輝は、今さら口に出すのを恥ずかしながらも感謝を伝えつつ、とにかく自分を卑下するのをやめるように、福山に伝えようとするのですが。

自分のことをこれほど理解してくれている人が身近にいてくれたことに涙を流すほど感動していて、それどころでは無くなるのでした。


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今回は、輝が福山にかけた言葉に注目しました。

その全文は上の例を見て頂くとして、簡単に内容だけおさらいすると、

パッと見は悪いヤツだけど、中身は良いヤツ
・子供と年輩に優しいし好かれやすい
・イベントには積極的に参加するなど、根はマジメ
勉強は苦手だが、体力も根性もあっていろいろなバイト経験豊富
・友達想い

という感じです。

一見、気になる部分は特にない普通に感じる言葉ばかりですが、内容を1つ1つ吟味してみると、

「相手を慰める言葉なのに、意外にもネガティブな内容が含まれている」
(パッと見は悪いヤツ、勉強は苦手という部分がある)

ことに気づきます。(今回はそれがわかりやすいように太字にしました)

フォローになってない、どころか、ディスっていると思われても仕方がない、この太字部分。

実はこのネガティブな部分が、説得力を高めているのです。


これは心理学用語で「両面提示効果」というそうです。

この両面提示効果が、「人を見る目がない人」(植木理恵 著、講談社セオリーブックス)の中で、納得のいく話をするテクニックのひとつとして、わかりやすく紹介されています。

長所ばかりを並べられると、人は一般的に胡散臭さを感じる。しかし、ちょっとだけ短所を混ぜると、急に信憑性が上がるものだ。ポジティブな面だけでなく、あえてネガティブを混ぜることで、商品価値を高めるテクニックのことを、『両面提示効果』と呼ぶ。これは、長所だけをたたみかける「片面提示」よりも、説得力が数倍も上がることが実証されている」
(以上、同書より引用)

つまり、良いトコばかりアピールするより、

「悪いトコもあるけど、それをカバーして余りあるくらい、良いトコの方が多い(もしくは強い)よ!」

とアピールした方が、なるほど、と思われやすいということです。


漫画の例でもわかりやすいですが、上記書籍に出てくる「デジカメの説明」の例もわかりやすいのでご紹介したいと思います。

下の1と2を比べてみてください。

1 「画質がよくてコンパクト。しかも手ぶれにも強いですよ」

2 「画質がよくてコンパクト。値段はちょっと高めですけど、そのぶん手ぶれにも強いですよ」

2の言い方で説明された方が、嘘っぽさが感じられにくいのが、わかると思います。


ちなみにこのテクニックは、「教育水準が高い人」ほどかかりやすいとのこと。

教育水準の高い人は「うまい話なんてそうそうない」と考えがちなようで、そのため、デメリットもきちんと説明するこの方法は、「なるほどね」と感じてもらいやすくなるようです。


また、ネガティブな内容を入れるタイミングは、

「ポジティブな内容」 → 「ポジティブな内容」 → 「ネガティブな内容」 → 「ポジティブな内容」

の順が良いそうです。

漫画の例では、福山の今の気持ちに共感することに繋がる「ネガティブな部分」から始まっていますが、その後はだいたい上のパターンになっているのもわかると思います。



漫画の例のように、傷ついている人を慰めてあげるために使うのも良いですが、この知識があることで、買い物をする際、デジカメの例のように「ヘンに納得させられてしまう」ことを防ぐこともできると思います。


機会があれば、このテクニックをぜひ思い出してみてくださいね!




記事を最後までお読み頂き、ありがとうございました!!

(※ 掲載した画像は紹介作品からの引用で、著作権は作者および出版社にあります)

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