2015年7月22日水曜日

食戟のソーマ × 人が人を集めていく原理

今回は週刊少年ジャンプ2015年34号掲載、食戟のソーマ 第127話「月光のささやき」のワンシーンを例に、人が人を集めていく原理についてご紹介したいと思います。


食戟のソーマ 第127話では、主人公の幸平 創真(ゆきひら そうま)と、それを手伝う田所 恵(たどころ めぐみ)が、胡椒餅(フージャオピン)というメニューで学園祭にて結果を出すべく奮闘する姿が描かれています。

どうしても結果を出さなければならない学園祭。

その初日で、創真たちはかなりの苦戦を強いられました。

なんとか挽回するべく、その夜、販売所である屋台を引きながら、創真は新作メニューを試します。

学園祭2日目には、その新作料理をラインナップに加えたことで、少し挽回することができたのですが、創真には勝たなければならない相手がおり、その人物が残している結果には、まだまだ足りない状況です。

そして、学園祭2日目の夜。

初日夜とは違い、その夜は田所にも手伝ってもらって、創真は屋台を引きながら突破口を見つけようとする…それが食戟のソーマ 第127話の話の内容です。


決められた場所以外で店を営業するのはルール違反となることもあり、無料で胡椒餅を提供する創真たち。

無料ということもあり、すぐに人が寄ってきて、食べた人の美味しそうな反応を見ることでさらに人が寄ってくる。

そんな流れで、屋台にはすぐに人だかりができました。

それを見て、創真は「過去父親が夏祭りで胡椒餅(フージャオピン)を出した時もこんな感じだった」と思い出します。

「最初は石窯の珍しさでまばらに人が集まって…」

「食べたお客さんたちの反応が人を呼んで」

「で、屋台の周りに人だかりが絶えなくなる…」


それを思い出したところから、

「実際に食べているところを見ないと味をイメージしづらいため、味を強くイメージしてもらえるメニューを考えること」

または、

「見た瞬間に味が想像できるようなものから、お客の興味を引き剥がせるようなインパクトを持たせること」

など、創真と田所の2人は、現状打破のための策に考えを巡らせていくのでした。



※※※

「ココロの不思議を解く心理実験室」(渋谷昌三 著、河出書房出版)という本に、この本の著者が「以前デパートで店頭販売をしている人から、店頭販売のポイントを教えてもらった」という紹介の形で、同じような話が出てきます。

詳しくは上記書籍を読んで頂くのが良いと思いますが、ポイントだけを簡単に紹介すると、

・まず、お客さんが「あ、自分が声をかけられている」とわかる言い方で声をかけて、足を止めてもらうこと

・次に、振り向いてくれたり関心を寄せてくれそうと思った人には、笑顔を見せること

・商品を買おうと売り場に来てくれた人が買おうとしても、すぐには売らず、楽しそうに話をすること

の3点です。


『売れるとわかっているのにすぐには売らない』

実はここが、今回ご紹介したワンシーンでも人だかりができるようになっている、共通のポイントです。


大切なこと、それは「店の前で人が興味を持って見ていること」。

楽しそうにそのまま店の前で話をしていると、通りかかった人は「何だろう」と思って、店を覗き込みやすくなるのです。

そうすると、誰かが興味を持って覗き込んでいるうちに、その人が人を呼び、またその人が人を呼び…と連鎖が起こって、あとは何もしなくても自然と人だかりができるようになります。

「食戟のソーマ」の例では、「石窯を覗き込む人」「店の前で美味しそうに胡椒餅を食べる人」が、同じ効果を産んでいるわけです。



実はこの現象、心理学の実験でも証明されています。

人を集めるためによく話題にのぼるのが「サクラ」の存在ですよね?

今からご紹介するこの実験はミルグラムという人が行ったもので、「サクラの人数を変えると、まわりにどういう変化が起こるのか?」ということを調べるものです。


サクラがやることはとても単純なもので、

「ニューヨークの繁華街で立ち止まり、一斉に向かいのビルを見上げる」

という行動です。これを1人、2人、3人、5人、10人、15人というサクラのグループで行います。


まず、サクラと同じように、立ち止まって向かいのビルを一緒に見上げた人の数について。

サクラが1人だった場合は4%の人だけが立ち止まって見るだけでしたが、サクラが増えるごとに立ち止まる通行人も多くなり、サクラが15人になると、立ち止まる人はなんと40%にも増えたのです。

つまり、

「15人の人だかりが1箇所で同じものを見ているところに、10人が通れば、そのうちの4人は立ち止まって同じものを見てくれる」

ということです。


さらに、「立ち止まりはしないものの、ゆっくり歩きながらサクラと同じようにビルを見上げた」通行人は、サクラが1人の場合でも、42%にものぼりました。

さらにさらに、サクラが3人の場合は60%、5人になると86%もの人が、サクラが見ているビルを見上げる結果となったのです。

これを簡単に言うなら、

「誰か1人でもしっかり見ている人がいれば、10人中4人の人は興味を持って同じものを見てくれる」
「3人が同じものを見ていれば、周りの60%の視線を集めることができる」

ということになります。


店の前に人がいるということが、どれだけ人を集めることに効果があるか、というのが理解できると思います。


ちなみにこの心理学実験では、効果的に人を集めることができるようになるには「最低3人が必要」だと結論が出ているようです。


どこかに人を集めようと思ったとき、という機会はあまりないかもしれませんが(笑)

逆に自分が人だかりに引っ張られて見に来てはみたものの、「本当にそれが欲しいのかな?」と迷ってしまうことは、よくあると思います。


そんなときは、このシーンと実験を、ぜひ思い出してみてくださいね!



記事を最後までお読み頂き、ありがとうございました!!

(※ 掲載した画像は紹介作品からの引用で、著作権は作者および出版社にあります)
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