2015年4月13日月曜日

風夏 × 争いから「降りる」という選択肢の有用性!

今回は週刊少年マガジン2015年19号掲載、風夏 #56「ひとつだけ。」のワンシーンからご紹介します。


主人公である榛名 優(はるな ゆう)が所属するバンド「The fallen moon」が、とあるフェスに参加し、優勝を目指している最中でのお話です。

優は、「優勝はルバード(というバンド)に決まっている」という衝撃の事実を、自分たちの出番を待っている間に通りがかった部屋で知ります。

このフェスは、なんとフェスのプロデューサーが仕込んだ「ヤラセ」の勝負だったのです。

そのプロデューサーは、良いライブをした別のバンドに対して、ライブ中に割り込んでいって邪魔をし潰すなど、ルバードを優勝させるための行動を徹底していました。

そういう汚い手を使おうとしているプロデューサーを見た優は、バンドメンバーと話し合い、

ある決断をします。

それは、「このフェスを棄権する」こと。

「黙って落とされるくらいなら、こっちからやめてやりましょうよ。」

その代わりどのバンドよりも最高に熱い風を巻き起こすことを胸に、優たちはライブに向かいました。

結果優たちはこの機会を、それまでのバンドにはなかった「アンコール」を客側から求められるほどの、最高のステージにするのでした。


途中のコマをかなり省略しているせいもあるかもですが、これだけ見ると優たちは

「単に権力に屈した負け犬」

みたいに感じるかもしれません。

今回ご紹介する話、そう感じた方にはぜひ知って頂きたいと思います。


ポイントは、「権力に屈した」のではなく自ら権力争いから勝負を降りた」ことです。


話の流れを見ると、

「プロデューサーの考え方ややっていることは間違っている。だからそれに対抗してやるんだ!」

と、「負けてたまるか!」的に考えてしまう人は多いと思います。


実際、優と一緒にヤラセを知ったもう1人はそう考え、「認めさせられるような、良いライブに絶対にしてやる!」と抵抗します。

そしてそのライブ中にプロデューサーに乱入され、メンバーをバカにされ、それまでの努力が無駄だったと痛感するほどに反撃を受け、潰されてしまうのですが。

この行動と、優たちが取った「勝負を降りる」という行動はどこが違うのでしょうか?



ちなみに、こういう「権力争い」は意外と身近でも起きているようです。

たとえば、会社で上司と仕事のやり方について話をしているとき。

「僕は○○だと思うのですが…」と提言し、それに対して

「黙って××してればいいんだよ!」と違う方法を返されたとします。

どう考えても自分の方法の方が効率的なのに…と考えると、強情な上司にイライラしてしまったりします。

こういう、「自分の方が正しい」「相手が間違っている」と考えてしまうようなとき。

実は、「権力争い」に巻き込まれているのです。


このことが、「嫌われる勇気(岸見一郎、古賀史健 著 ダイヤモンド社)」という本の一部に出てきます。
(以下『』内は、この本からの引用です)


人は、対人関係のなかで「わたしは正しいのだ」と確信した瞬間、すでに権力争いに足を踏み入れているのです。』

『「わたしは正しい」という確信が「この人は間違っている」との思い込みにつながり、最終的に「だから私は勝たなければならない」と勝ち負けを争ってしまう。これは完全なる権力争いでしょう。』


上の会社の上司とのやり取りの例でも、イライラするのは「自分が正しい。だから自分が勝たないとおかしい!」と考えてしまうから、ですよね?

「風夏」の話の中でも、プロデューサーに対抗した1人の気持ちは、きっとこれに近いと思います。


では、そんな気持ちになってしまわないようにするには、どうすれば良いのでしょうか?


先ほどご紹介した本では、こう勧められています。

・相手が闘いを挑んできたら、そしてそれが権力争いだと察知したら、いち早く争いから降りる。
・相手のアクションに対して、リアクションを返さない。

また、先ほどの文章の続きには、こう書かれています。

『そもそも主張の正しさは、勝ち負けとは関係ありません。あなたが正しいと思うのなら、他の人がどんな意見であれ、そこで完結するべき話です。

『ところが、多くの人は権力争いに突入し、他者を屈服させようとする。だからこそ、「自分の誤りを認めること」を、そのまま「負けを認めること」と考えてしまうわけです。』

そうすることで、目先の勝ち負けしか見えなくなり、道を間違えてしまうことがなくなるのです。


権力争いで「勝ち負け」にこだわると、目先のことしか見えなくなり、本来の目的を忘れてしまいがちです。

たとえば、先ほどの会社の上司との例なら、本来の目標は「仕事を成功させること」や「仕事を円滑に進めること」などになると思います。

しかし勝ち負けにこだわっていると、上司の言う通りにして失敗した場合に「だから言ったのに」と、失敗を上司のせいにしてほくそ笑んで満足してしまったりします。

実際の仕事は失敗に終わっているのに、つまり何も解決していないのに、ほくそ笑んで終わりなわけです。

また「風夏」の例で言えば、「音楽・ライブを観客に楽しんでもらう」という目標は、いつの間にか見失ってしまいます。
(もちろん優勝という結果も大切なので、全てを否定するわけではありませんが。)

当初の目的を見失っているのが、わかると思います。



勝負自体を楽しんでいる場合は良い、と思います。

でももし、自分が必要以上に「勝ち負け」や「正しい、間違っている」にこだわっているな、と感じたときは、ぜひこのことを思い出してみてくださいね!



記事を最後までお読み頂き、ありがとうございました!!

(※ 掲載した画像は紹介作品からの引用で、著作権は作者および出版社にあります)

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