2014年12月10日水曜日

湯神くんには友達がいない × 人を嫌いになる理由は「後付け」なことも!?

あなたには、嫌いな人や苦手な人はいますか?

…多分、誰にでもいますよね(笑)

そしてその人のことが嫌いな理由も何かしらあると思います。

しかしその嫌いな理由、実は「後付け」なこともあるのです。

「あの人は○○なところがあるから嫌い」

と思っていたものが、実は

「あの人は自分にとって都合が悪い。だから嫌いになれるところを探して嫌おう」

という流れになってしまっている可能性があるのです。

今回はそんな可能性について、週刊少年サンデー2015年1号掲載の、湯神くんには友達がいない 第31話「湯神くんの修学旅行」の各シーンを例にご紹介したいと思います。


※※※

この漫画の主人公である湯神 裕二(ゆがみ ゆうじ)は、百瀬 香織(ももせ かおり)という女の子に嫌われています。

湯神は百瀬に全く興味がないため、嫌われていても気にならないようなのですが、彼らのクラスメイトである綿貫 ちひろ(わたぬき ちひろ)は、性格上どうしても気になるようでした。


そんな湯神たちは現在、京都・奈良へと修学旅行中です。

奈良の大仏を見学に来たとき、綿貫が「起こるのでは!?」と不安に思っていた、湯神と百瀬のギスギスした争いがついに勃発します。

「これがここらで一番偉い大仏だよね!?」

そう聞く百瀬に、友人の久住が

「そうじゃないの、大きいし」

と答えるという二人の会話に、たまたま近くにいた湯神が入ってきます。

「厳密に言うと違うな」

そして、仏像の種類や分類、当時の考え方などを湯神は百瀬たちに教えてあげるのですが。

一通り聞き終わった後、「何アレ!? (知識の)自慢!?」と百瀬の怒りが爆発します。


「ホント湯神って厚顔無恥だよねー」

「なんなのあのウンチク!? だから何? なんだっての!?」

「さっき食事の時はおしぼりで顔拭いてたし! おっさんみたいだよね!」

「電車ではあいつ…」


聞いてる側の久住が若干呆れるほどに、百瀬は湯神に対する、「本当に嫌いだ!」と言わんばかりの悪口を言い続けるのでした。


そんな百瀬とも、仲良くなりたいと思っている綿貫。

大浴場でお風呂に浸かりながら悩んでいると、友人の木村さんが

「湯神くんと関わるのやめたら…多分…もう香ちゃん(百瀬)ともめる事もないと思うよ…」

とこっそりアドバイスをくれました。

なぜそこに湯神が出てくるのか? 入浴時間を先生に切り上げられてしまったため話の続きを聞くことが出来ず、綿貫は理解できないままで迎えた次の日。

いろいろと考え過ぎたせいか、綿貫の結論は

「百瀬は湯神のことが好きで、湯神に女の子を近づけさせないようにしているのだ」

と、誤解をしてしまいます。

そしてその日、その誤解が元で百瀬の地雷を思いっきり踏んでしまい、綿貫は百瀬を怒らせてしまいます。


綿貫が後悔しつつ迎えたその日のお風呂タイムで、木村さんからやっと話の続きを聞くことができました。

「香ちゃん(百瀬)はね…まずは若ちゃん(久住)ありきなのよ。」

「だから湯神くんは(久住に構われる上に久住に迷惑をかける人だから、百瀬の中で)最底辺なのよ」

「あの子(百瀬)独占欲も強いから、こういう人(転校生など久住が構いやすい人)も憎まれやすい」

「私だ…」と、自分が過去百瀬とうまくいかなかった理由も、綿貫はここで初めて知ります。

そして一応友人という位置を手に入れていた理由と事実を知り、綿貫は地雷を踏んだことを改めて後悔するのでした。


※※※

● 「あの人を嫌いな理由」がいつの間にか変わる!?

今回注目したいのは、百瀬が湯神を嫌う理由が元々の理由とズレているのに、その意識が全くないことです。

簡単にいうなら、百瀬の中では

「あいつ、わたしにとって都合悪い! だから嫌い!」

→ 「あいつ嫌なヤツ! だから嫌なトコいっぱいあるはず!」

→ 「やっぱり嫌なトコいっぱいある! やっぱり嫌なヤツ! 嫌い!」

という流れで湯神のことを嫌っている、ということです。

こういうことは「マンガだからあり得るんでしょ?」で終わらせがちかもしれませんが、案外実際の生活でもあり得ることのようです。


● 「あの人を嫌いな理由」は簡単に見つかる!?

実は、「あの人がなぜ嫌いか?」という理由は、意外と簡単に見つかるものなのです。


その根拠となるものは、いくつかあります。

まず、完璧超人は世の中にはいないこと。

人は正解ばかりを選ぶことはなく、ときには失敗や選択ミスをします。

それがたとえ簡単な失敗や選択ミスでも、それに固執さえすれば、簡単に人を嫌いな理由にできます。

「あの人、あのときに○○してた人間だよ! サイテーだよね!」など、○○がくだらないことでも、ずーっと気にしている人っていますよね?

それはもしかすると、記憶力が良いのではなく、単にその人を嫌う理由を無くしたくないからなのかもしれません。


次に、どんな長所でも、短所に置き換えることは意外と簡単にできること。

漫画内に出ている例であれば、大仏に関することに詳しかったことが「何アレ!? 自慢!?」というように捉えられてしまった部分です。

自慢と取るか、親切心と取るか。それは本人の取り方の問題です。
(ただし本編で湯神は若干ドヤ顔だったので、ただの自慢だった可能性も十分あります 笑)


最後に、人は「ほらやっぱり! 自分は正しい!」と思える証拠だけを集めやすい傾向があること。
(この傾向は心理学で、「確証バイアス」といいます。)

嫌いな人に対しては、先ほどの「短所」と感じられるようなところを見て「やっぱりあいつは嫌なやつ!」と思える証拠を集め、嫌いだという確証をさらに強くしていく傾向になります。

漫画の中でも、百瀬が久住に「よく見てるわね」と若干呆れられるほどに、湯神を観察しては嫌いな理由を言っているのも、これに当たると思います。

そして彼女は、さらに湯神のことを嫌いになっていくのです。

しかも怖いのは、本人は理由があると確信して嫌いだと考えていることです。

そのせいで、大切な友人の久住が若干引いているような状況にすら、気づけないのです。


もしこれを自分でやってしまうと、まわりの人たちの自分に対する評価を、実際に下げてしまうことに繋がりかねません。

まわりに「あの人○○だからムカつく! 嫌い!」ばかり言っている人が居ては、空気が悪くなり、自分の居心地もあまりよくはありませんよね?


● 「短所」ではなく、「長所」に注目すればOK!

嫌いな人のイヤな部分だけを見ることを避けるためには、「本当にその人に良いところはないのか?」を真剣に探してみるのがオススメです。

これは「反証」という考え方です。
(あることを証明するために、それとは真逆の可能性を完全否定できるかどうかを検証してみる、という方法)

今回の漫画の例でいうと、

・湯神にも良いところはあるという可能性が完全否定できれば、湯神が嫌な人間だということも証明できる

ということです。


この方法は試してみるとわかりますが、長所が短所になり得るように、短所は長所にもなり得るため、意外にあっさりと「あ、良いところもあるかも」という部分が見つかります。

それをきっかけにさらに長所を見ていくことができれば、上記の「確証バイアス」が良い方向に作用して、良いと思える部分がどんどん目がいくようになっていきます。

それができれば、苦手な人との人間関係もうまくいきやすくなると思います。


もし嫌いな人がいたら、

・自分に都合が悪い、という理由だけで嫌いなトコロを探していないか?
・もしそんな風になっていたら、その人の「良いトコロ」も探してみる!

を、試してみてくださいね!



記事を最後までお読み頂き、ありがとうございました!!

(※ 掲載した画像は紹介作品からの引用で、著作権は作者および出版社にあります)
(参考資料 「うまくいっている人の考え方 完全版」 ジェリー・ミンチントン著)

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