2014年8月6日水曜日

ILLEGAL RARE(イリーガル・レア) #25「マーダックタワー突入」 (人を助けることで自分が助かる!? ポジティブになるための「自己肯定感」の手に入れ方!)

今回は週刊少年ジャンプ2014年36号掲載、ILLEGAL RARE(イリーガル・レア) #25「マーダックタワー突入」のワンシーンを例に、ポジティブになるために大切な「自己肯定感」と人助けとの関係についてご紹介したいと思います。


特に意識することなく電車で席を譲ることができる人など、何か見返りを求めるわけでもないのに人に気を遣えたりお世話をするのが好きな人って、たまにいますよね。

そういった人はだいたい「エネルギッシュ」で「幸せ」そう、という何気ない共通点があるのはご存知ですか?

「エネルギーもあるし自分が幸せだから、そんなことができるんだ」という考え方もあるかと思いますが。

実はこの考え方は逆で、「人助けすることが自分の助けになる」という事実を、今回はご紹介したいと思います。


(※※ ここからネタバレを含みます。ご注意ください ※※)

まずは、ILLEGAL RARE(イリーガル・レア) #25「マーダックタワー突入」のワンシーンとあらすじのご紹介から。


この話の主人公であるアクセルは、過去に同胞を狩り尽されてしまった「黒吸血鬼(ブラックヴァンパイア)」という種族の王です。

彼は連れ去られたナズナという仲間を助けるため、連れ去られた先のマーダックタワーへの侵入を仲間たちと共に試みているところです。

入口を圧倒的な力で突破し、エレベーターでマーダックタワーを昇った先には、アクセルと同じ希少な種族の者たちが、狩られたうえ管理されている場所がありました。

その場所を見たとき、仲間の一人であるカワサキはアクセルの最終目的が「同胞の救済と解放」「狩られた白吸血鬼のベーゼを探すこと」であったことを思い出し、今いる場所が彼の求めていた「最終目的地」であることに気付きます。

しかし当のアクセルは、今するべきことは「ナズナの救出」だと判断し、足を止めるなとカワサキに伝えます。

アクセルとその仲間である青吸血鬼のロマンスにとって、「同胞を救うこと」が大切だという考え方は変わってはいませんが、今は「ナズナを救出する」ということを優先だと考えています。

優先したことをアクセルはベーゼに心の中で謝りつつ、優先順位を変えることとなった「二百年経って気づいたこと」を思い出していました。

ベーゼが狩られた後も、ずっとアクセルの心の拠り所はベーゼでした。

アクセルは生き残ったものの、ヴァンパイアを狩る側であるデルメザから追われる身というのは変わらない状況です。

時間が経つにつれ、情勢はどんどんアクセルが不利になるように変わり続けるものの、それでも彼は「ベーゼを探す」という目的を見失わないことで、なんとか自分を保っていました。

そんなある日、彼は一匹のカーバンクルの娘を助け出します。

そして彼女は、彼女と同じくレアとして狙われるものの隠れ家となるような施設を作ると言い出します。

アクセルはその施設で、カーバンクルのときと同じように、ひとり、またひとりと助けていくことを続けていきました。

そうしていくことで、徐々にアクセルに感謝の声をかけてくれる人が増えていきます。

ベーゼを助けられなかったことなどで自信を無くし、自分の欠点にばかり目が行っていたものの、今までのクセで対応しているうちに、

また施設にいる、助けた彼らの楽しそうにしている姿を見ているうちに、

救う側のはずのアクセルは、いつの間にか救われるような気持ちを感じ、また自分にある力を再認識することができるようになっているのでした。

その結果、彼はベーゼが生きていたときのように、前向きな気持ちを取り戻します。

仲間との関係、そして再度手に入れた前向きな気持ちが、アクセルが二百年で気づき、築いたものでした。



ここから今回のブログのテーマに入ります。

今回注目したのは、助けた側なのにも関わらず、アクセルが救われたと感じた点です。

素敵な仲間ができたことで救われた部分もあると思いますが、実は、人を助けることで人はポジティブになれることが心理学でわかっています。


漫画の例では「命を救う」というかなり重いものなため日常生活ではイメージしにくいので、「電車で席を譲る」ということで想像してみましょう。

たとえば、自分が席を譲ったときのことを想像してみてください。
(もし自主的に席を譲った経験があれば、そのときのことを思い出してみてください。もしくは、自分が「良いことをした!」と思えたときの気持ちでも構いません。


気恥ずかしい部分はあるものの、なにかとてもすがすがしい、とても気持ちの良い感情になったと思います。


人は良いことをすると、「自分は良いことができる人間なんだ、かっこいいなあ自分!」という自惚れと、「やってやった!」という爽快感を感じることができます。

つまり、親切にすることで人は自分のことを少し好きになることができるのです。
(自分を肯定するイメージを持てるということで、このときの感情を「自己肯定感」といいます)

いい気持ちになると(自己肯定感が高まると)、自分に対してポジティブなイメージをもつことができて、かつ「次も良いことをしよう!」と思えるようなエネルギーが出ることは想像できると思います。

親切を毎日繰り返し行っていくことができれば、どんどん自分のことが好きになって、前向きなエネルギーを持つことができるようになっていきます。

もし近所や身近に、他人に親切にすることを趣味と同じく積極的にやっている人がいれば、その人のことを思い出してみてください。

ドラマやアニメの役などでも、そういった人は前向きでエネルギッシュな人物像がイメージできると思います。

また、自己肯定感が高まると、主観的幸福度も高まっていくことがわかっています。
(心理学では「多幸感」と呼ぶそうです。)

つまり、人を助けることで、自分も幸せだと感じやすくなるというわけです。

今回の漫画の例でも、アクセルは「助けるごとに救われたような気がした」と感じています。

これはまさに、上記のことがそのまま起こっているのだと考えられると思います。


また、自己肯定感と似た言葉で「自己効力感」というものがあります。

これは、「自分にはできる」もしくは「自分の力がメインとなって今できている」と感じることです。

「自分にはできる!」と思えるかどうかは、問題に対して前向きになれるかどうかに大きく関わりますよね?

その「自己効力感」を高めるものとして、

・何かを成し遂げたという達成感(達成体験)
・他人の達成体験を通して自分もできると感じる(代理体験)
・周囲から「できる」と励まされる(言語的説得)
・苦手意識の克服(生理的情緒的高揚)

が実は有効で、特に達成体験が大切だと言われています。

この4点を重ねていくことで、自己効力感を高めることができ、「自分にはできる!」と考えることができるようになっていきます。

今回の漫画の例でも、アクセルは「誰かを助けるということ」を何回にも渡って達成していますし、次の人助けの機会のたびに期待され、励まされた(「アクセルならできる」と言われた)だろうと想像できます。

このグループに所属して人助けをしていくことで、いつの間にかアクセルの「自己効力感」も高まっていき、結果、前を向く気持ちに繋がっているのだと思います。


その他にも、前向きに考えるために必要だと言われていることがいくつか実践されているのが見えます。

たとえば、ネガティブなことを「どうにもならないこと」と「なんとかなること」の二つに分類し、「なんとかなること」に集中する、という考え方。

できることに集中することで、「どうにもならないこと」に関わることで持ってしまう失敗や失望の感覚をできるだけ無くし、「なんとかなること」をやった達成感や目標を設定することでのエネルギーを得ることなど、メリットを多くでき、幸せを感じやすくできます。

アクセルの目的は「ベーゼを探すこと」。しかし現状、それはどうにもなりません。

しかし目の前で困っている者を助けることは、できます。

そして前向きに考えられるようになった結果、アクセルは闇雲にベーゼを探すのではなく、他のレアを助ける黒吸血鬼として目立つ存在になることで、狩る側から注目を浴び、向こうから来るように仕向ける策を思いつきます。

対策が立っている状態から考えると全て「そりゃそうするよね」「当たり前の対策じゃん」というように見えますが、ネガティブなときには「そもそも無理」と考えがちだったりするため、そういった発想はなかなか出ないものです。

できることだけに集中し、前向きに考えられるようになった結果だと思います。


また助けた仲間たちが、楽しそうに、幸せそうにしているのをアクセルが見ているシーンがあります。

これは「助かったから幸せなんだ」という見方もありますが、よく考えてみると助けられる側だったということは、殺されそうになっていた、ということ。つまり十分不幸です。

そして、レアである事実は変わらないため再度命を狙われる可能性があること、また中には自分以外の仲の良い誰かがすでに殺された経験を持つ人間もいると十分考えられます。

そしてそれは、アクセルも同じこと。ベーゼを狩られたことで、前向きになれない状況です。

しかし、その同じ境遇の者が楽しそうにしているわけです。そこで出てくる感情は、ネガティブならおそらく

「同胞は殺されたのに何を楽しそうにしているんだ」

でしょう。

しかし、物事の良し悪しはネガティブな側面も、ポジティブな側面もあります。アクセルはふと

「自分も同じなら、彼らと同じように幸せを感じてもいいのかも」

と思えることがあったのかもしれません。実際アクセルは笑顔で、彼らの幸せを見ているだけでした。

ポジティブな側面を見ることで、人は前向きな気持ちになれる、ということもなんとなくイメージして頂けると思います。


少し話が逸れてしまいましたが、全てアクセルが「人助け」を元にして得た「自己肯定感」「自己効力感」によって生まれた、ポジティブな感情や考え方だと思います。

電車で席を譲ることは、技術的にはそんなに難しくない人がほとんどだと思います。

もちろん席を譲るのが難しい場合は、その他の親切に思える行動で構いません。

「自分なんて…」と思ってしまい自分を好きになれないときや、ポジティブな考え方になれないときがあれば、ぜひ簡単な人助けから試してみてくださいね!


以上、ポジティブになるために大切な「自己肯定感」と人助けとの関係についてのご紹介でした。

ちなみに、同じような問題を抱えた人たちが集まり、自身の問題を語って他人に受け入れて貰うことで治療を行う集団療法というものもあります。

レアな存在として狩られそうになるという立場を経験した仲間たちが集まる場所なら、共感できることもあり、話をすることでそういった心のケアも行われていたのかもしれませんね。

興味のある方は調べてみてください。ここでも機会があればまたご紹介できればと思います。


さてさて、「ILLEGAL RARE(イリーガル・レア)」は大きな山場に突入ですね!

来週以降は巨大な敵とも、マーダックの秘密とも真正面から向き合っていくはずです。

目が離せません! 興味のある方はお見逃しなく!!




ここまで読んでくださって、ありがとうございました!

(※ 掲載した画像は紹介作品からの引用で、著作権は作者および出版社にあります)

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