2014年8月18日月曜日

ノゾ×キミ 2年生編 第30話「ハナビのシタで」 (騒がしい中でも興味のあるものは聞こえる!? 「カクテルパーティー」効果ってなに?)

今回は週刊少年サンデー2014年36・37合併号掲載、ノゾ×キミ 2年生編 第30話「ハナビのシタで」を例に、騒がしい中でも興味のある音や声が聞こえるという「カクテルパーティー」効果の特徴と活かし方についてご紹介したいと思います。


人ごみの中で騒がしいにも関わらず、自分を探して遠くから声をかけてくれた人の声が聞こえたり、知り合いの声がなぜか聞こえてきて集合場所を迷わずに済んだりしたことはありませんか?

また聞こえないと思って言った悪口が、遠くにいる本人に聞こえていて、気がついたら本人がこっちを見ていた、なんてことも意外とよくある話です。

こういった現象は「地獄耳」を持っている特殊な人だけのもの、と思われがちですよね?

しかし意外にも、これはほとんどの人が持っている能力なのです。

「カクテルパーティー効果」という名前がついてしまっているほど、よくあることなのです。


しかし、近くで話している人の話を聞きもらしてしまうこともよくあります。

遠くの話は聞こえて近くの話は聞こえない、なんてことは普通に考えると、ありえませんよね?

でも、実際には起こっています。

どういった要因で「カクテルパーティー」効果は起こるのでしょうか?

起こる要因には興味を持ちにくいかもしれませんが、実はそれを知っておくことで「新しい情報が入手しやすくなる」「新しい考え方ができるようになる」などメリットがあります。

少しでもデキる人になりたいと思う方は必見ですよ!


(※※ ここからネタバレを含みます。ご注意ください ※※)

まずは、ノゾ×キミ 2年生編 第30話「ハナビのシタで」のあらすじのご紹介から。


先週までの話で、クラスメートの関口イサムと谷本コウメは、付き合う直前まで想い合っているにも関わらず、「関口イサムの巨乳好き」が障害として立ちふさがっていて、うまくいっていないことがわかりました。

これをどうにかしてあげるために、今週は主人公の2人を含む4人の仲間たちがサポートをすることになります。

関口イサムと谷本コウメの二人の共通点は、共にバレーボール部であること。その共通点を活かし、ビーチバレーをすることになりました。

お互いに力を出し合いゲームは白熱していきます。イサムとコウメもビーチバレーに集中しなんだかんだで楽しんでいるように思われましたが、コウメの打ったサーブをイサムが取る際に、

イサムの悪い癖である「巨乳好き」が出てしまい、

コウメを怒らせてしまいます。

それから時間が経ち、あたりが暗くなってから、改めて謝罪をするイサムに対し、

コウメは一年前の夏に言ったことを憶えていていてくれたのだと思い嬉しかったことや、お互い中身がピッタリ合った気がして(お互いの関係は)大丈夫だと思っていたこと、そして
(画像の順番は右→左)

自分の外見がイサムの好みに合っていたら、結果が違ったのかも、と言うコウメ。

イサムはそんな悲しそうなコウメを見ると同時に頭上に上がった花火をきっかけにして、一年前のことを思い出しました。
(画像の順番は右→左)

そしてイサムは、自分のバカさ加減を認めつつもコウメに対する想いの全てを言葉にし、告白をします。

大きな花火と同時だったため、聞こえなかったかとイサムは照れ隠しをしながら聞き返しますが、しっかりと言葉と気持ちは伝わっていたのでした。



ここから今回のブログのテーマに入ります。

今回注目した点は、大きな音の中でもきちんと告白の声は聞こえたことです。

実は心理学の実験で、騒がしいざわついた中でも自分の興味のあることや自分に対する悪口、自分のよく知っているジャンルのことなどはよく聞こえることがわかっています。

この効果は「カクテルパーティー効果」と呼ばれています。

単にそれだけならトリビアに近い情報だと思います。

しかし、これに関する心理学実験の結果と結論を知っておくことで、自分の苦手な部分をカバーできるようになったり、新しい情報を意識して取り入れられるようになったりすることに繋がり、知識を増やしていくことに繋げることができるようになります。

ということで、「この効果が起こる理由」と「その活かし方」を、今回はあわせてご紹介します。


まず、「カクテルパーティー効果」が起こる理由について。

「興味のあることは耳に入りやすい」ということは、つまり「興味のないことは耳に入りにくい」ということです。

なぜ興味のないことやよく知らないジャンルのことは、あまり耳に入ってこないのでしょうか?

これは、音は耳に入ってきてはいるものの、脳がその人自身に関係のある情報かどうかを判断し、関係のある情報のみ処理を行っていることが原因です。

つまり興味のない話は、正確には「耳には入ってきている」けれども、まったく意識されていない、ということです。


ではなぜ、脳は興味のない音や関係のない音は処理してくれないのでしょうか?

普通に考えれば、自分の知らない情報や関係のない情報というのは、新しい知識なので有用なはずで、それを取り込むことでいろいろな知識が増えるメリットがあります。

わざわざ脳はなぜそんなメリットを除外しているのでしょうか?

実は脳はある意味ケチな部分があり、できるだけ最小限のエネルギーで効率よく働きたいと考えているような面があります。

そのため脳は、自分に関係のある部分のみを処理することとなり、その結果その他の雑多な情報を除外しているのです。

これは、実験でも証明されています。

アメリカで行われた選挙の演説による実験では、支持政党と非支持政党の両方の話を実験参加者に聞いてもらい、その人たちの演説に対する理解力と集中力、記憶力を比較するというものがあります。

実験参加者にはどちらの演説も同じように記憶するよう依頼しているにも関わらず、実験の結果は自分の支持政党の演説にのみ集中し、しっかりと内容も一つ一つ記憶・理解しているものの、非支持政党の演説では真逆の結果が出ることとなりました。

同じく宗教者による説教に関しても実験がありますが、結果は同じで、自分の信仰している宗教に対してはどんどん説教を覚えるものの、信仰外の宗教の説教はほとんど実験参加者の記憶には留まらなかったそうです。

つまり、自分に興味がなく関係のない内容というのは、聞こえにくいだけではなく、それに対する集中力や理解、記憶に対しても無意識下で影響を与えているのだということがわかります。


興味のない内容の話は、聞こえにくいし、集中しにくいし、理解しにくいし、覚えにくい。

なぜこんなことが起こるかというと、それは「自分の考え方を変えたくない」=「自分を肯定したい」という感情、自己愛とも言える感情が根底にあるからだと考えられています。

自分の考え方と違うもの=興味のないものを脳が除外してしまうのは、これが原因です。


自己愛があることは悪いことではないと思います。

しかしそれを理由にしてそのままにしておくと、いつまでたっても自分の興味のないことは覚えられず、知識の幅は広がっていきません。

そこで、興味のない話や「あまり聞きたくないな」と感じる話でも、理性的に考えて「有益だ」と感じるものがあれば、あえて集中して聞くようにしてみましょう。

そうすることで、何も意識していない人との知識の差が簡単にできてしまうのは、言うまでもありませんよね?

これが、「カクテルパーティー効果」を知って活かすポイントになります。

苦手な科目や命令されて新しく受けているセミナーなど、やらないとダメだとわかっている勉強(特に授業)のときには、普通にやっていては簡単に情報が除外され、頭には残りません。

上記のマイナス分を考えて、あえてしっかりと聞くことを意識して臨むようにしましょう。


ちなみに意識して聞いておきたい話の中で、特に自己愛の影響で「あまり聞きたくないなあ」と感じやすいのが、「同年代で同じジャンルの職業に就いている人や勉強をしている人たちの話」だそうです。

同じジャンルである以上、その人たちの話は「興味のある話」のはずなのですが、関係が近すぎて自分の考え方への影響が強くなり過ぎるために自己愛が発動して、読んだ論文に対する批評が辛口になったり、話を聞く際に腰が引けたりします。

しかし、あえてその人たちの意見や話を聞くことで、入ってくる情報を増やして自分に活かすチャンスが生まれます。

営業を行うサラリーマンの行動と成績の関係性を調べた結果、成績の良い営業マンほど、他社で同じ業種の人と食事に出かけるといった交流を持っている、という統計もあるそうです。


「興味のあることや自分に関わることは意識しなくても聞こえやすい」ということから、

・ふと聞こえてきた内容や話は自分が興味のあることである可能性が高い
・「あ、あんまり聞きたくないな」と腰が引ける話でも、有益な情報だと思ったらあえて聞くことで、自分の成長に繋げることができる

ということがわかる、というお話でした。

特に腰が引けたときにはこのことを思い出して、これからに活かしてみてくださいね!


以上、騒がしい中でも興味のある音や声が聞こえるという「カクテルパーティー」効果についてのご紹介でした。

ちなみにこの号では少しだけ、この前の号ではしっかりと出てきた「コウメの告白をイサムが聞き逃してしまった」件については、興味がなかったわけではなく、おそらく「視覚の感覚が他の感覚よりもかなり強い」ことが影響したのだと思います。

心理学でもそういった五感に関することはかなり情報があるので、また機会があればご紹介したいと思います。


「ノゾ×キミ」は「自分見せ合いっこ」から派生するエロスなイメージが強いと思います。

でも案外こういう細かな効果が各所に使われていたり、小嶺ノゾミが持つ「何にでも難しく考えてしまいがちな性格」のおかげで、普段考えないことを考えるきっかけにもなると思います。

とはいえ、そのキャラクターの可愛さの方にどうしても目が行きますよね(笑)

コメディ部分も面白いですし、ビジュアルで興味が持てた方はぜひ一度目を通してみてくださいね!



ここまで読んでくださって、ありがとうございました!

(※ 掲載した画像は紹介作品からの引用で、著作権は作者および出版社にあります)

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