2014年7月4日金曜日

i-ショウジョ Ver7.03「ツイート」 (友人を作るために必要な「一歩」ってなに? それは「自己開示」です!)

今回は、週刊少年ジャンプ2014年31号掲載のi-ショウジョ Ver7.03「ツイート」のワンシーンを例に、友人関係を作っていくのに大切な「自己開示」についてご紹介したいと思います。


「友達を作るのって難しい。」

得意な方もいらっしゃると思いますが、苦手な方はトコトン苦手な印象だと思います。

ネット上に限らず、さまざまな「友人の作り方」が紹介されていると思いますが、そのうちのひとつで心理学の本でもよく紹介されているのが「自己開示」というものです。

簡単に言えば「自分をさらけ出すこと」です。

しかし全てをさらけ出せば仲良くなれるかというと、そうでもありません。

今回はその自己開示について、ポイントや方法、どういう流れで必要になるのかなど、自己開示に関する周辺情報もあわせてご紹介します。


(※※ ここからネタバレを含みます。ご注意ください ※※)

まずは、i-ショウジョ Ver7.03「ツイート」のあらすじとワンシーンのご紹介から。


「i-ショウジョ」の世界では、「魔法のアプリ」「使徒のアプリ」というものが存在します。

今回の話では「Pride(プライド)」という、「メールに書いて送ったことを全て送信先の人間が信じてしまう」というアプリと、穂中(ほなか)という少年が登場します。

穂中は「生きてれば自然に友達もできて彼女もできると思っていた」が現実にはそんなことはなく、今生きている人生に対して「難易度が高い」と感じていました。

学校からの帰り道、そんな自分の世界に対して「消えちゃえばいいのに!」と考えていると、いつの間にか異世界に飛ばされ、そこからふと我に戻ると彼のスマホにはアプリ「Pride」がインストールされていました。

そのアプリを受け取った穂中は、暇つぶしに試しに使ってみてそのアプリが「本当に効果のあるものだ」ということを知ります。

そしてたまたま道端で口論をしていたヤンキー女子2人のメールアドレスを知ったことを機に、彼女たちを経由してクラスメイトのメールアドレスを教えさせ、クラスメイトの女子全員に明日朝「メイド」として教室で命令を待つようにメールを送ることを思いつくのでした。

アプリによりそれが実現されたところから、今週の話は始まります。


クラスの女子全員がメイド姿で穂中の命令を聞いている状況を、登校してきたクラスメイトの八豆(やず)が目撃し、穂中に声をかけます。

クラスメイトを驚かしてやろうと穂中は自慢げに説明をしますが、アプリの効果を信じない男子たちは執事にされてしまいますが、「魔法のアプリ」が入った経験を持つ八豆だけは効果がありませんでした。

そのため八豆と仲の良い六仙(りくせん)という女子に「身体をくっつけろ」と命令することでうらやましがらせようと穂中は試みますが、八豆は「止めろ! うらやましくなんてない!」と言い放ち、六仙を押し退けます。

そして、「本気でぶつかってくる」からこそ六仙であり、操り人形ではないからこそ、「強さも友としても女の子としても手におえない」からこそ六仙であると、八豆が穂中に教えたことで、穂中は思いなおします。

そして、自分が欲しかったのは従順に従うメイドなのではなく、八豆と六仙のように、お互いを認めつつも張り合えるような、そんな「友人」という関係だったことを思い出すのでした。

そのことで穂中の欲望は満たされ、使徒のアプリ「Pride」は消えます。

そしてそれにより正気に戻ったクラスメイトたちは、穂中がアプリの力を使って自分たちを操ったことに気付くのでした。

そんな中で、悪いことをしたと感じた穂中は必死に「謝りたい」とは思うものの、怖くて動けません。

必死にスマホにしがみついた際、たまたま指が画面に当たり、魔法のアプリ「Tweet(ツイート)」が起動します。

このアプリは「メアドを持っている人の本音がスマホから聞こえる」というもの。

そのアプリの効果で「クラスの女子全員をメイドにする」件でクラス全員のメアドを知っていた穂中のスマホから、穂中の「友達が欲しかったんだ…」という本心が、みんなに聞こえるのでした。

もちろん、操られていた側はそんなにすんなりと穂中を許すわけがありません。

しかし彼の本心に対して感じたクラスメイトの本音が、アプリの効果で全体へと広がっていきます。

男子たちの「やらしー」本音が女子たちに聞こえてしまったことで、穂中を含む男子たちは、空手が得意な六仙を筆頭に女子たちから責められることになりますが、

間一髪、殴られそうになる穂中を救ったのはクラスメイトの男子たちでした。

そして最終的には女子たちに捕まり蹴られ殴られされたものの、穂中は自分に足りなかったものが特別な何かではなく、クラスメイトに近寄る「一歩」だったことを、その中で感じ取るのでした。



ここから、今回のブログのテーマに入ります。

今回注目したのは、穂中が知ることになった、友達を作ることに足りなかった「一歩」についてです。


「一歩」という表現からいろいろな「一歩」を読み取ることもできますが、やはり一番大きかったのは「自己開示」だと思います。

穂中が今回できた自己開示は

・友達が欲しかったこと
・そのために魔法のアプリを使ってしまったこと
・「メイド」が好きなこと(言葉には出ていませんが、クラスメイトにさせた衣装にチョイスしたことから好きだと十分予測できます)
・(上記と少し被りますが)男子としてのやらしい部分を持っている
・しかし比較的純情。そして本人はそれを認めないために可愛さを持っている

などです。

そしてクラスメイトの方も、男子的やらしさを持っていることを思わずアプリ「Tweet」で本音を漏れてしまったことから、穂中にある程度共感してしまっていることがわかります。

また、「クラスメイトの女子に一緒に責められ、殴る蹴るをされる」という恐怖の感情を共に経験したことでも、男子たちと感覚を共有する機会となり仲良くなることができたと考えられます。


しかし、どんなものでも共感できるか? というと、そういうわけにはいきません。

初対面の人が振ってきた話題が、もし「自分、メイドさんの格好をした女子が好きなんですがあなたは何が好きですか?」というものなら、普通は引きますよね(笑)

つまり、漫画の話では流れの上で「フェチ」などちょっと深い部分での自己開示と共感の例になっていますが、普通の状況で同じように「フェチ」に関する話など深い部分を、まだ仲良くなれていない人と話したところで仲良くはなれない、ということです。

自己開示する「深さ」を相手との心理的な距離感に合わせて調整する必要があることは、ポイントとなりますので覚えておきましょう。


また、自己開示には「返報性」があることも覚えておくと役に立ちます。

距離感やタイミングを間違わずに自己開示が自然にできれば、同じレベルの自己開示を相手もしてくれることが結構あります。

たとえば、漫画に関する話題になったときに「オレ、結構漫画好きで…」という話をすると、「あ、オレも漫画好き。どういうのが好き?」というふうに相手の好みを同じレベルで自己開示してくれることが多いのです。

その結果話が広がりやすくなりますし、それによりテンションが上がればさらに自己開示が進んで仲良くなれるということです。

雑談に参加している流れで、少し詳しい話になったときは大体そのまわりは興味があることが多いので、自分も興味があればさりげなく自己開示してみてください。

経験のある方はご存知かと思いますが、自分が思っていた以上に話題が盛り上がったりすることもよくあります。

ちなみに「何が嫌いか」の方が話が合えば盛り上がるそうなので、自信があればそちらも試してみてください。ただ、話題がネガティブなので失敗するとケガをしそうではあります(笑)


「自己開示の返報性」でポイントになるのは、必ず「率直に、ありのままの意見を伝えること意識する」ことです。

そうすることで、自分に合った友人関係を作ることができます。

無理やり合わせてしまった場合はこれから先もその点ではずっと無理矢理合わせていくことになりますので、注意するようにしましょう。
(ちなみに、相手に合わせたりなど意識を持って印象付けることは「自己呈示」といって別モノ扱いです)


心理学の本などでも、実は「自己開示」に関しては人の成長の過程で「同世代の友人を作るという流れで必要となるものだ」という考え方がよく紹介されています。

第二次性徴を迎えるころから、人は「自分のことをわかってくれるかどうか?」が気になりだします。

最初は一番身近な存在である「親」に対していろいろ相談をするのですが、相談しているうちに「親は自分のことをわかってくれていない」と感じるようになります。

その流れから、比較的身近に存在している、学校などで関係性のある同世代の友人に「自己開示」を行うことで、自分をわかってくれる存在を探し始めるようになるのです。

その結果、同年代の間でお互いが自己開示するようになり、関係性を強めていきながら友人関係が広がっていきます。

まあその結果、友人も大して自分のことをわかってくれないことを理解していくわけなんですが(笑)
(ただしこれも、自分の個別性を理解したりするために必要な流れのようです。また機会があればご紹介したいと思います)


以上の話をまとめると、

・友人を作るには、自然な流れでの自己開示が必要だということ
・「相手に向かって一歩踏み出す勇気を持つ」というのは、「距離感を考えつつ、自分の好みなど簡単なものから自己開示をしていく勇気をもつ」と同じということ

です。話の参加の仕方などはまた別の工夫が必要になりますが、根底にこれがあれば、自分を押し付けすぎない限りうまくいく確率はぐっとあがると思います。

機会があれば、試してみてくださいね!


ちなみに「自己開示」に関して、「ジョハリの窓」という別の観点から同じように友人関係を広げるコツとして以前の記事でご紹介しています。良ければ下記事も参考にしてみてください!
■ ドメスティックな彼女 第3話「うまく言えない」 (仲良くなるため、コミュニケーションを取りやすくするために必要な考え方、その名も「ジョハリの窓」!)


以上、友人関係を作っていくのに大切な「自己開示」についてのご紹介でした。

「i-ショウジョ」1巻発売おめでとうございます!!\(^o^)/

「i-ショウジョ」は、そのときの登場人物が魔法のアプリをきっかけにさまざまな問題を解決していくお話です。

絵の綺麗さもあって、そのキャラクターのかわいさに目が行きがちですが、興味深い問題解決であることも多く、個人的にはその点も楽しみにしています。

1話読み切りとはいきませんが、比較的短い話数で完結していきますし、いつでも読み始めて大丈夫だと思いますよ!

ぜひ一度目を通してみてくださいね!



ここまで読んでくださって、ありがとうございました!

(※ 掲載した画像は紹介作品からの引用で、著作権は作者および出版社にあります)

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