2014年6月27日金曜日

せっかち伯爵と時間どろぼう 0028「めぞん黒奥(クロック)」 (気付いてないのにめちゃくちゃ影響される!? サブリミナル効果ってなに?)

今回は週刊少年マガジン2014年30号掲載、せっかち伯爵と時間どろぼう 0028「めぞん黒奥(クロック)」のワンシーンを例に、接触に気付いてなくても影響を与えるというサブリミナル効果についてご紹介したいと思います。


見聞きしたものに人が影響を受けることは誰でもイメージできると思いますが、意識できていないものやことでも影響を受けることは、知っていても結構忘れがちです。

人は無意識に、人からだけでなく物や色からも影響を受けます。

その「無意識」に影響を与えるものとして、とても有名なもののひとつに「サブリミナル効果」というものがあります。

「サブリミナル効果」とは、潜在意識に訴える方法だと言われています。

映像で影響があるという話が一時期話題になったため、あまり良くないイメージと併せてご存知な方も多いと思います。実際に現在、テレビや映画では使用を禁止されているものであることからも、一般的にあまり良いイメージが付かないことも納得できると思います。

では実際、どういう効果や影響があるのでしょうか?

過去に起こった事例や、視覚だけではなく聴覚にも関連があることなどを、今回はご紹介します。


(※※ ここからネタバレを含みます。ご注意ください ※※)

まずは、せっかち伯爵と時間どろぼう 0028「めぞん黒奥(クロック)」のワンシーンとあらすじのご紹介から。


この漫画の世界では、人類とはまた別に「上人類」という、あらゆる時代にタイムスリップが可能なかわりに1年間しか生きることができない、非常にせっかちな種族が登場します。

その上人類が、通常で言う人類の世界での止まり木変わりとなる場所として、黒奥(クロック)という上人類の女性が、以前「めぞん・カイザー」という建物をとある場所に建てました。

しかしその「めぞん・カイザー」に人が来なくて黒奥が困っている、というところから今回の話は始まります。

困っている彼女に、彼女と知り合いで人類である夕仏真心(ゆぶつ まごころ)が「ローカルTVのCMでも打ってみてはどうか」という提案を行います。

人類のTVでCMを流しても意味がないのでは? と黒奥は考えたものの、「何もやらないよりはマシじゃないですか」ということで、一度CMを流してみることになりました。

そしてCMが流れるというTV番組を夕仏や主人公たちが一緒に見ていたのですが、

結局CMが流れた気配が無いまま、そのTV番組は終わってしまいます。

こんなんじゃ入居希望者なんて集まらない!

そう思っていたら、なんと入居希望者が殺到する結果となりました。

しかも、並んでいるのは上人類ではなく人類ばかり。

「なんで人類が?」 そう感じた夕仏でしたが、自分も「あそこに住みたい!」と思っていることに気付きます。

なぜ上人類向けのCMを人類のテレビで流したら、人類の入居希望者が殺到したのか?

それは、


・上人類の寿命が人類の60分の1であることから、上人類のCMは人類の60分の1の長さであったこと
・そのため人類にとってそのCMは0.25秒の出来事であり、ほんの一瞬CMがうつっただけで、人類では気付かなかったこと
・そしてそれは人類で言われる「サブリミナル効果」を生み出す現象であったこと

が原因で起こったことなのでした。

夕仏はサンジェルマン伯爵の説明によりサブリミナル効果の上人類版「超サブリミナル効果」によって、本心で住みたいと思ったわけではないことを理解します。

しかしそれにも関わらず「やっぱり住みたい!!」とその欲求から逃れることはできずに、48万円の家賃を支払うこととなるのでした。



ここから、今回のブログのテーマに入ります。

今回の漫画の例では結局、夕仏さんは気持ちを誘導され大きな出費をすることになりました。

一般的に考えられている「サブリミナル効果」も、こういったネガティブな方向にイメージを持っている方が多いと思います。

それは、実際に「サブリミナル効果」の例によく出される、現実世界で起きたとされるもの影響が大きく、しかも意外に多数の例があることがひとつの要因になっていると思います。


例えば、アメリカの映画にて「コーラを飲め」「ポップコーンを食べろ」というメッセージの映像を映画中に重ねて何回も流したところ、どちらも売り上げが上がったということがあったそうです。

またイギリスのヘヴィメタルバンドの曲の中に、自殺をほのめかすようにも取れるセリフが逆回転で入っている曲があり、それを聞いていた少年2人が本当に自殺を図ってしまった、という事件も起きているそうです。


上記は悪い例ですが、「サブリミナル効果」は悪い面だけではなく良い方向へと利用もされています。

例えば、効果が起こるように手を入れた音楽を聞くことで、集中力アップや不安の解消などに利用されています。


心理学的にこれらの効果は、何かを見つめた後に目を離してもまだ映像として残っているように感じる「残像」という効果によって、その残像が潜在意識に訴えかけるため思考に影響を与えると考えられています。


ここまで聞くと「あ、ホントにこんなことってあるんだ」と思いますよね?

しかしこの「サブリミナル効果」は、記事や論文などはたくさんあるものの、まだその効果を実証するものが出ていないということも言われています。

実際にサブリミナル効果は「メッセージを隠して見せたり聞いたりさせれば絶対に効果がある」というものでないことは、実験からわかっているようです。

どういった流れで、またどういった条件であればその効果が表れるのかは、まだまだ研究を重ねる必要があると考えられます。

メディアでは無効だという話が報道されず、また自分自身がした非合理的な行動の言い訳として使われているため広がっている、という話もあります。


しかしどちらにしても、「もしかしたら無意識的に自分がコントロールされているかもしれない」と考えると、とっても怖い話ですよね?

実際、インターネットなどで調べてみたり、実体験として誰かの話を聞いて「怖い!」と感じている方も多いと思います。僕自身も本当にあったらと思うととても怖いと思います。


しかし、有無に関しては現在はっきりと結論が出ていない状態のようですので、あまり怖がる必要もないかと思います。

サブリミナル効果を「怖い」と感じるのには、おそらく「心理的リアクタンス」「確証バイアス」「人は自分のことをこうだと言い当てて貰いたいという欲求を持ちやすい」など、いろいろな心理的な動きが影響していると思います。

もしそうだとすると、サブリミナル効果に怖がるのは、よくわからないものに振り回される感じだったり占いで一喜一憂したりする感覚に似ているんじゃないかな、と思っています。

平常心でネットを情報検索して頂ければわかりますが、いまこの記事を書いている現在でも「あるよ!」「ないよ!」の両方の記事があって、どちらとも言えない状況が続いている感じです。
(個人的な見解ですが、有無どちらの意見でも「反証」部分の解説があまりにも少なく科学的な証明とは言えないと感じています。)


またもし本当に「サブリミナル効果」があることがわかったとしても、それをきっかけにきっと対策もしっかりと取れるようになると思いますし、良い方向にも十分活用できるものになると思います。

これからも研究や実験がいろいろな形で成されていくと思いますので、雑学的な知識として、ぜひこの機会に覚えてみてくださいね!


以上、接触に気付いてなくても影響を与えるというサブリミナル効果についてのご紹介でした。


「せっかち伯爵と時間どろぼう」は、個人的には結構楽しみにしている作品のひとつです!

今回も「犬は人間の寿命のだいたい6分の1くらいだから、家で飼っている犬は人が帰ってくるまでの間を、人の感覚の6倍も待っている。だから帰ってきた人のことを大歓迎してくれるのだ」という話がありました。

冷静に考えると「いや、たぶんそれ違うんじゃないかな?」と思えるようなことでも、「せっかち伯爵と時間どろぼう」を読んでいると、意外に納得してしまえたりその着眼点や発想で「面白い!」と感じてしまったりすることが多々あります。
(「せっかち伯爵と時間どろぼう」に限らず久米田先生の作品全体で言えることかもしれませんが)

しかもそういった共感できるものがテーマになっているときの読み応えはすごくて、本当に面白く感じます。

今のところ一話完結で楽しめるものがほとんどなので、まだ読んだことがない方にもオススメです。

興味のある方はぜひ一度目を通してみてくださいね!



ここまで読んでくださって、ありがとうございました!

(※ 掲載した画像は紹介作品からの引用で、著作権は作者および出版社にあります)
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