2014年5月23日金曜日

バチバチBURST 第98話「無傷」 (「成功」はストレスにもなる!? その恐怖感をなくすにはどうすれば!?)

今回は週刊少年チャンピオン2014年25号掲載、バチバチBURST 第98話「無傷」のワンシーンを例に成功は幸福感だけではなくストレスにもなることと、そのストレスの対策についてご紹介したいと思います。


会社で出世している人、学校で成績の良い人、収入の高い人などは、成功している人だと見られます。

そして成功している人は、誰もが幸せに生活していて、それがうらやましく思われ、時には憧れすら感じられると思います。

そして成功しているのだから悩みも少なく、成功していない人に比べてストレスも少ないだろうと考えてしまうと思います。

しかしストレスに関しては、実はそうとも言えないことが心理学的にも統計的にもわかっています。

小さな成功でも、意外にストレスを感じてしまう。「成功」したのに「ストレス」を感じるはずがないと、意外に対策がちゃんとできず、焦ってしまったりして急にうまくいかなくなることもあります。

そういったことが無くて済むように、「成功がなぜストレスになるのか?」「そのストレスはどうすれば回避できるのか?」について、今回でぜひ知ってみてください!


(※※ ここからネタバレを含みます。ご注意ください ※※)

まずは、バチバチBURST 第98話「無傷」に登場するワンシーンと、あらすじの紹介から。


現在「バチバチBURST」では、主人公の鯉太郎(こいたろう)を含めた3人で幕下力士の優勝決定戦が行われている最中です。

その第2戦目が、鯉太郎と、そのライバルで圧倒的な実力を持つ王虎(おうこ)の対戦となりました。

1戦目からの連戦である鯉太郎が圧倒的不利と思われましたが、鯉太郎のぶちかましで一瞬王虎の姿勢が崩れます。しかし逆にそれが王虎に本気を出させるスイッチとなってしまい、今度は鯉太郎が王虎に押し返されてしまいます。

その押し返しの最中、王虎は「足りない」と感じました。

足りないと感じたものは、「恐怖」と「絶望」です。
相手が自分の前に二度と立ちはだかろうと思えない程の恐怖と絶望を、もっと強く、王虎は鯉太郎に刻み込もうとします。

その行動は、かつて横綱まで登りつめたものの成功後のプレッシャーに耐えられずに怖がる姿を自分の間近で見せた、自分の部屋のトップである虎城に対しての軽蔑から来るものであり、自分はそうなるまいと、本物の圧倒的な君臨者となるためにした行動でした。



ここから、今回のブログのテーマに入ります。

今回注目したのは、晩年とはいえ横綱という現役力士のトップにまで登りつめたにも関わらず、うずくまり「怖い」と言う虎城のシーンです。

普通に考えれば、現役力士のトップというのはもちろん「成功」であり、誇れるものです。

しかし、本人の感覚は「怖い」でした。

本人の気持ちを鑑みないのであればそれは明らかにおかしいことだと感じることですが、しかし同じシーンで、「怖い」と感じる理由もしっかりと説明してくれています。

「負けたら積み上げたモノを全て失う」
「俺の価値が消えてしまう」

そう感じることが、怖いと感じる原因となっています。


そして意外かもしれませんが、同じようなことが実社会の生活でも(本当に身近なところででも)起こっています。

例えば、自分が高額の宝くじに当選したとして、そのときのことをイメージしてみてください。

当たった瞬間はとても幸せだと感じます。「これから何に使おうか!」とテンションもあがると思います。

しかし、そこからすぐに「失う」ことなどに敏感になります。

調子に乗ってたくさん遣ってしまい思ったよりも残高が減っていることが気になってしまったり、羽振りが良くなったことを敏感に察知されたことで「まわりが自分の財産を狙っているのでは?」と疑心暗鬼になってしまったり。

宝くじほど大きな話でなくても、例えば「ダイエットに成功した」としたら、次の日からはその体重が少しでも増えてしまったらどうしよう!? と悩み始めてしまうのです。

成功の裏側には必ず「それを失ってしまったらどうしよう!?」という焦りが見え隠れするため、人はストレスを感じやすくなります。


また、そのストレスは成功の大きさによっても左右されます。

成功の度合いが大きければ大きいほど、それによって感じるストレスも大きくなってしまうのです。

心理学の世界で、そのストレスの大きさを地震の大きさに例えた「ストレス・マグニチュード」という考え方があります。

それによると、「肉親の死」や「離婚」「病気」などの「強いストレスのものだ!」と直感的にわかるもののすぐ下あたりに、なんと「結婚」「長期休暇」「家族が増える」「大金が舞い込む」「昇進・出世」など、明らかに人生の成功だと思えるようなものがランクインするのです。

確かに長期休暇とか、「あー大して何もしていないのに、もう長期休暇が終わっちゃうよー。もうすぐ学校(会社)が始まってしまうなんて、なんて憂鬱なんだー!」とストレスを感じたこと、経験のある方は多いのではないでしょうか。

以上のことから、「幸福感」と「恐怖感」は常にワンセットで表裏一体のものだということが、わかって頂けたと思います。


では、そういった「成功の裏側にあるストレス」にはどうすれば対抗することができるのでしょうか?

その方法は、たくさんの「仮面(ペルソナ)」を持つことです。

仮面というのは(もちろん実際の仮面ではなく)、自分の中にあるキャラクターや立場、役目などのことを指します。

つまり、自分の中にたくさんのキャラクターやいろいろな面を持っておくということです。


具体的な例を段階を踏んで見てみましょう。

例えば、「出世をしまくってとてもストレスを感じる状況」を想像してみてください。

もしその人が、「出世を目指して頑張る人」という面(キャラクター)しか持っていなければ、

「次の仕事で失敗したら降格させられるかもしれない」
「よくできる後輩がとても目立って良い成績を残している。抜かされたらどうしよう」

など、その立場を失うことに強烈なストレスを感じることが予想されます。

しかしその人に、もし「とても家庭的で、家事もしっかりと手伝う父親」としての一面があればどうでしょうか?

もちろん収入が極端に落ちるようなことがあれば家族内で問題になるかもしれませんが、たとえ役職で後輩に抜かれるようなことがあっても、生活を維持できる程度の収入があれば、

「自分は今回仕事で思うように結果を残すことはできなかったけれども、自分を大切に思ってくれる、必要としてくれる家族がある」

と考えることができるようになります。
そのおかげで、少なくともひとつの失敗だけですさまじく落ち込んで何もできなくなる、ということは回避できます。

ちなみに、これはそんなに大きな問題や成功だけに当てはまることではありません。

例えば自分が学校での成績で誰かに負けたとしても、その負けた相手には歌の上手さでは負けなかったり、何かを作ることでは負けないなど、自分の中にさまざまな面を持っていれば、言葉通りそれだけさまざまな面で自分の価値を考えることができるようになります。

もちろん価値の比重の置き方にも問題があるかもしれませんが、絶望するほどのストレスを受けることは少なくなるでしょう。


ひとつの失敗だけで、全ての幸福感が奪われるわけではない。

逆にひとつの成功だけで、自分の思っていることの全てが成功したわけではない。

そう考えることでストレスから解放され、生き生きと次のステップへと進んでいくことができるようになると思います。

何かを無くしてしまいそうだと気持ちが焦ってしまったとき、それは自分が持っているさまざまな面に目を向ける機会と思って、良ければこの考え方を実践してみてくださいね!


以上、成功は幸福感だけではなくストレスにもなることと、そのストレスの対策についてのご紹介でした。

「バチバチBURST」は、現在連載されている作品の中では珍しい「相撲」がテーマの漫画です。

世代を超えて、それぞれの生き様や考え方がしっかりとテーマに盛り込まれた漫画で、読み応えのある回がずっと続いている感じがしています。

まさに意地と意地のぶつかり合いを、そのまま相撲でしっかりと描かれた感じです。

相撲好きな方は、ぜひ一度目を通してみてくださいね!



ここまで読んでくださって、ありがとうございました!

(※ 掲載した画像は紹介作品からの引用で、著作権は作者および出版社にあります)
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