2014年5月13日火曜日

木曜日のフルット 「こころの巻」 (今感じている気持ちや感情と真逆の気持ちが出てくるのはなぜ?)

今回は週刊少年チャンピオン2014年23号掲載、木曜日のフルット 「こころの巻」を例に、今感じている感情と逆の感情が出てくる心理についてご紹介したいと思います。

自分の感情をコントロールするのは、自分の気持ちだから簡単かと思いがちですが、思い返してみるとむしろ難しいと感じることもあります。

たとえば、絶対に笑ってはいけない場面とわかっているにも関わらず、我慢すればするほど笑いが堪えられなくなってしまったり、幸せを感じていてもふと不幸せだったときのことを思い出したりなど、自分が考えようとしていないことまで考えてしまったりします。

しかし、ちゃんとコントロールすることができることもあると思います。

感情のコントロールが出来るときと出来ないときの違いは、一体何なのでしょうか?

今回は実際に行われた実験と合わせて、その要因をご紹介します。


(※※ ここからネタバレを含みます。ご注意ください ※※)

まずは、木曜日のフルット 「こころの巻」の中に出てくるシーンをご紹介します。


この漫画の主人公である鯨井早菜(くじらい さな)と、鯨井と同じアパートに住み鯨井をアシスタントとして雇っている漫画家の白川市郎との二人の会話です。

白川は現在連載を行っている作品の評判が良いことを編集から聞き、今後の展開も「いいですねぇ、それで行きましょう」とあっさり認めてもらえるような、ひとまず成功していると言って良い状況ですが、最近ふと昔のことを思い出すと言います。

「人気が出なくて明日の運命も知れなかったかけ出しの頃の方が楽しかった気がする…」
「もちろん今も楽しく描いてるけどさ」
「あの頃に戻りたいかと聞かれたら絶対いやだけどね…」

また別の場面では、鯨井の後輩で整体師である高見沢頼子(たかみさわ よりこ)が鯨井に施術をしている際、頼子から教わった腰痛体操や頼子自身の整体のおかげであまりこっておらず骨盤もほとんどズレていない鯨井に対して、ふと思ったことを頼子が言います。

「私の施術とアドバイスで改善されるのは嬉しい反面…」
「もっとバッキバキにこり固まっている人を揉み倒したいと思ってしまう私は 悪い整体師でしょうか!?」



ここから、今回のブログのテーマに入ります。

今回ご紹介したシーンはどちらもわかるといえばわかる、複雑な心境だと思います。

しかし落ち着いて考えてみると、その考えは「絶対にいや」なものであったり、「悪い」かもしれないと考えてしまうような内容のものだと、それぞれの登場人物が発言しています。

なぜ、マイナスだとわかっていたり感じたりするようなことをわざわざ考えてしまうのでしょうか?

こういった普通では考えないようなことでも、人はある要因が加わると考えてしまうということが実験でわかっています。

それは、作業をしながらなど、考えることを妨害する要因があるからなのです。


実際に行われた、大学生が参加した実験をご紹介します。

まず実験に参加した大学生にそれぞれ、自分の今までの生涯で起こった「楽しい出来事」「悲しい出来事」を細かに思い出してもらいます。

そしてこの大学生を3つの条件(グループ)に分けます。

1つめは、楽しい感情になるように生起し、悲しい感情は抑止するように説明したグループ。

2つめは、感情のコントロールをするようには説明しなかったグループ。

3つめは、悲しい感情になるように生起し、楽しい感情は抑制するように説明したグループ。

以上の3つのグループに分けるとともに、感情を生起させることを妨害する要因として「9桁の数字を暗記し続ける」という課題のあるグループと無いグループを用意(つまり合計6グループを用意)します。

実験の結果、まず「妨害のための課題がなかった場合」は思い通りに感情をコントロールすることができました。つまり楽しい感情になろうと思えば楽しい感情になれたということです。

しかし「妨害のための課題があった場合」は、上記の3つの条件すべてで、感情をコントロールに失敗したどころか、コントロールしようと思った方向とは真逆の方向に感情が向かったことがわかったのです。つまり、楽しい感情になろうとするとどうしても悲しい感情になってしまうということです。

以上のことから、感情のコントロールは考えている(もしくは考えようとしている)感情を邪魔する要因(暗記や作業など)があると真逆の感情が起こりやすい、ということがわかって頂けたと思います。


ここで今回紹介した漫画の例を見てみると、どちらも

・漫画を描いている最中にふと思ったこと
・整体の施術を行っている最中にふと思ったこと

であれば、それぞれ作業中に感じた幸せと真逆の感情が出たのではないかと予測できます。

そして、それぞれの作業が終わった後に(感情の方向を邪魔する要因が無くなった後に)、ふと頭に出てきた真逆の感情に対して、「絶対にいや」や「悪い」かもしれないという感想が生まれたと考えられます。


「良いことをしよう」と考えて実際に作業をしつつ、ふと悪い方向のことを考えてしまうのは、自分が悪い人間だからではなく、今やっていることが邪魔して感情のコントロールを失敗しているからだという可能性が十分にあり得ることがわかって頂けたと思います。

もし自分がそんな状況になってしまい自己嫌悪に陥ってしまったときは、手を止めて、もう一度考えてみてください。

すると、「今やっていることはやっぱり良いことなんだ」ということが、きっとはっきりと理解できると思います。

機会があれば試してみてくださいね!


以上、今感じている感情と逆の感情が出てくる心理についてのご紹介でした。

「木曜日のフルット」は、今回紹介したような、よくある心理やシチュエーションをしっかりとオチをつけて取り扱ってくれることが多くて、毎週楽しみにしています。

普通に読んでも面白いと思います。おすすめですよ!

ぜひ一度読んでみてくださいね!



ここまで読んでくださって、ありがとうございました!

(※ 掲載した画像は紹介作品からの引用で、著作権は作者および出版社にあります)
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