2014年5月31日土曜日

BIRDMEN flight012「CLOUDY SKY」 (お願いや説得に効果あり!? 説得の「入り方」を工夫してみること!)

今回は週刊少年サンデー2014年26号掲載、BIRDMEN flight012「CLOUDY SKY」を例に、お願いや説得をしたいときにその入り方を工夫することのメリットとやり方についてご紹介したいと思います。


簡単なお願いから、どうしてもやって欲しいと思うことまで、誰かに説得を試みることは意外とあると思います。

自分の子供や兄弟に対してのもの、自分の上司や先生など目上の人に対してのもの、自分の部下や後輩に対してのものなど、その幅は老若男女、立場の上下、重要さの大小に関わらず、日常的に行われます。

そんな、とても機会の多い「説得」の方法をいくつか知っておくことで、自分の意見を通しやすくなるため、話がスムーズに進みやすくなることが多くなります。

忙しい方ややりたいことが多い方にとっては、それはとてもメリットの大きいこと。

このブログでも既にいくつか説得のためのテクニックをご紹介していますが、今回は特に説得の「入り方」に注目して、そのメリットとやり方をご紹介ます。


(※※ ここからネタバレを含みます。ご注意ください ※※)

まずは、BIRDMEN flight012「CLOUDY SKY」のあらすじと、登場するワンシーンの紹介から。


この漫画の主人公である烏丸英司(からすま えいし)は、交通事故をきっかけに「鳥男」と呼ばれる特殊能力を得ています。

しかしその能力にはかなり謎が多く、彼と彼と同じ能力を持つ仲間たちでは、全員中学生ということもありどんな能力であるのかを判断できずにいました。

仲間内で話し合った結果、そのグループのリーダーである鷹山崇(たかやま そう)の知り合いで生物学者の龍目という男に協力を求めることとなりました。

協力することになった龍目は、まず判断材料となり得るサンプルをできる限り得るため、英司たちの採血を行い、毛髪を提出するように伝えます。

そしてそれが終わった後、これからの話をすることと親睦を兼ねて、全員を食事へ誘うのでした。

しかしそのとき、仲間のひとりである海野つばめ(うみの つばめ)が、家に小学生の弟がいることを理由に「早く帰らないと」と言いだします。

そんな彼女に対して「少しだけダメかな?」と、ハードルを下げて龍目が誘うと、「じゃあお茶だけ…」とつばめは了承しました。

そしてこの後、結局彼女は食事と話の終わる最後まで、みんなと居るのでした。



ここから、今回のブログのテーマに入ります。

今回注目したポイントは、海野つばめが「お茶だけ」という説得に応じ、結果最後まで食事の場にいるようになったことです。

その原因は、単純にパンケーキに吊られた部分も大きいのですが(笑)。

しかしそれでも、「とりあえず食事の場に来る」ということが無ければ、最後まで食事の場にいるということは起きませんでした。


実はこの「とりあえず(=とっかかり)」が、その後の説得に効果があるというのはご存知でしょうか?


どのような流れで効果が出るのかを簡単に例で出したいと思います。

今回は、「10万円貸してほしい」というのが最終的にしたいお願いだとしてみましょう。
(10万円を借りるというのがとても非現実的に感じた場合は、10分の1の「1万円」で想像してみてください。そしてこの後に出てくる金額も全て10分の1で考えてみてください。)

それを最初からいうと、相手によっぽどの余裕と自分に対する信頼関係がない限りは、当然ながらほとんどの場合断られると思います。

そこで「とりあえず」1000円を貸してもらうところから始めてみるのです。

1000円程度であれば、(社会人同士の顔見知りの関係などであれば)そこまで苦にして貸し借りのできない金額ではないため、貸してくれる人が多いと思います。

そして次に、少し経った後日、1万円を貸してもらえるようにお願いをするのです。これも迷いながらも貸してくれるようになります。

そしてさらに後日10万円を貸してもらえるようにお願いをする、というふうに、段階を踏んでいくことでお願いや説得が受け入れて貰いやすいということがわかっています。


単純にそれだけを聞くと、「ホントに?」「ぜったいウソだー」と思いますよね?(笑)

なので、今度はなぜお願いが通りやすくなるのかということがわかるように、お願いされた側に起こっている心理を段階ごとに追っていきたいと思います。

まず1000円を貸した(借りた)段階で、貸した金額は低いながらも、貸した側には「自分にはこんな優しい一面があるのか!」という良い自己評価が生まれます。

自分自身の優しさや懐の深さに対して良い評価を自分に与え、「人助けをした」「良いことをした」という心地良い思いを少なからず感じるのです。

そして次に「1万円貸してほしい」とお願いされた段階では、金額的な大きさによって一時的にストップがかかります。

そのため通常なら金額が大きくなったことを踏まえて「今回は止めておこう」と考えられると思いがちですが、貸した側はここで以前1000円を貸したときのことを思い出します。

そして貸す側はここで以前に自分に対して「良い評価をした」ことを思い出し、「ここで貸さないと、やっぱり自分は良い人間では無くなってしまう」「やっぱり自分はケチな人間なんだ」という気持ちになります。

人は変化をあまり好まない部分があり、しかも今回は一度自分を高評価しているところから落とすことになるため、そこには強い矛盾が生まれ、葛藤します。

その結果あまりに無理な状況ではない限り、「まあ貸しても良いかな」と判断しがちになるのです。
(そもそも自分が10万円を借りようと思う相手なため、1万円でそこまで無理という状況は少ないと思います。)

あとは上記と同じことの繰り返しで、10万円という、最初は高すぎると感じた目標までお願いを進めることができるのです。

つまり、単純に「お金を貸し借りするという行為」だけで判断しているつもりが、「自分の中の良い部分を無くさないための行動」という判断材料が増えてしまっているため、普通に考えることと結果が変わってくるのだと考えられます。

このテクニックは、「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」という名前がついています。訪問販売などのセールスで、開いたドアに足先を突っ込んでしまえば話を聞いてもらいやすくなる、というのが語源になっているようです。


このテクニックで注意するポイントとしては、最終的にお願いしたいことをうまく軽いお願いする必要があることです。

例えばお願いが「1000円貸してほしい」なのにも関わらず、最終目標が「目の前の女性とデート」だったりするなら、それはあまり意味がないでしょう。
(その後のお願いを「1000円貸してくれたお礼に何か簡単なものをおごると伝えて約束を取り付ける」など、さらに間に何かを挟むパターンなら、ありうるかも知れませんが)

あくまで最終的にお願いしたいことから、簡単に派生することをお願いするようにしましょう。


ここまで読んでいただくと、説得がいかに怖いものかというのがなんとなくわかって頂けたと思います。
もしかしたら「できればこんな知識を広めないで欲しい!」と思ってしまうほどのものに感じた方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、この知識を知っておくことで自分がだまされてしまうことを防げるようにもなると思います。

そこまで仲良くなく、身元も割れていないような人物から重大なお願いをされて悩んだときは、この知識を思い出せれば、「本当に信用できる人なのか?」「それをしても本当に大丈夫か?」に合わせて、「単純にお願いの内容は妥当なものなのか?」を確認できるようになると思います。

ですので、ぜひ覚えてみてくださいね!


以上、お願いや説得をしたいときにその入り方を工夫することのメリットとやり方についてのご紹介でした。

ちなみに、食事の場というのも説得に向いていることはご存知ですか?

今回は「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」に比べて少し条件が離れていたためこちらをテーマにしましたが、「ランチョン・テクニック」という名前が付くほど、案外有名な方法のようです。

興味のある方はぜひ調べてみてください。
機会があれば、このブログでも取り扱いたいと思います。


「BIRDMEN」では今回で新しい組織もちょこっと出てきましたし、次週も目が離せなさそうです。

そしてつばめがまさか「キャラの古さ」を売りにしてくるとは思いませんでした! 個人的にはとても面白かったのでこれからもしっかり注目したいと思います(笑)

4週ごとに掲載されている作品で次回は30号の掲載予定のようですので、本誌で追う際はご注意くださいね!



ここまで読んでくださって、ありがとうございました!

(※ 掲載した画像は紹介作品からの引用で、著作権は作者および出版社にあります)
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