2014年5月16日金曜日

ドメスティックな彼女 第3話「うまく言えない」 (仲良くなるため、コミュニケーションを取りやすくするために必要な考え方、その名も「ジョハリの窓」!)

今回は週刊少年マガジン2014年24号掲載、ドメスティックな彼女 第3話「うまく言えない」を例に、自分を知ってもらうために役に立つ考え方についてご紹介したいと思います。


誰かと仲良くなったりコミュニケーションをうまく取ったりするには、話し方や話題の内容、その人の人間性などいろいろな面が関係してくると思います。

その中のひとつとして重要なのが、「自分を相手に知ってもらうこと」です。

しかし、一言で「知ってもらう」と言ってもなかなか難しいことだと思います。

その原因は、そもそも「自分ってどういう人間なのか?」と悩んでしまいやすいからです。なかなか「自分はこういう人間だ!」と自信を持って提示することはしにくく、むしろ提示できてもそれはそれで引かれてしまうことだってあります。

そのせいか対人関係が特に苦手な人は、思わず自分を無理やり作ってしまったり、嘘をついてしまったりすることも。

今回は、そういったコミュニケーションで悩んでしまったときに役に立つ「ジョハリの窓」についてご紹介します。


(※※ ここからネタバレを含みます。ご注意ください ※※)

まずは、ドメスティックな彼女 第3話「うまく言えない」のあらすじから。


この漫画の主人公である藤井ナツオ(ふじい なつお)は、彼の父親の再婚によって、自分の学校の先生でありひそかに想いを寄せている陽菜(ひな)と、また合コンで知り合い初体験の相手となった、陽菜の妹である瑠衣(るい)と同居することになりました。

姉弟となってしまったため、陽菜に対する恋を諦めて家族になろうと考えているナツオの目の前で、引っ越し後すぐ、憧れの陽菜が酔い潰れて目の前で無防備に寝てしまうということが起きます。

憧れの気持ちを綺麗に絶つため、「これで最後にしよう」とナツオが寝ている陽菜にキスをしようとしたところに、ちょうど瑠衣が部屋へと入ってきて、キスは未遂に終わりました。

そんな経験をしたためか、ナツオはその夜に変な夢を見てしまい、翌朝寝坊をしてしまいます。

寝ぐせもそのままに急いで学校に来たところ、瑠衣が同じ学校に転校してきたことが話題になっていました。転校のことを全く知らなかったナツオは、慌てて瑠衣を休み時間に呼び出します。

ナツオはお互いに変な噂が立たないよう、自分たちの微妙に複雑な関係を秘密にしてはどうかと提案しますが、それに対しての瑠衣の反応や言い方がナツオは少し気になるようでした。

その後なかなか治らない寝ぐせを陽菜にいじられたり、昨日キスしようとしたことがバレたのかと勘違いするようなことがあった後の昼休み、ナツオは瑠衣が弁当を一人で食べているのを目撃します。

朝のホームルーム時はたくさんの人がたかっていたにも関わらず誰からも誘われなかったのかと、ナツオが問いかけます。

話を聞いてみると、「休み時間ごとに話しかける人が減ってった」とのこと。瑠衣本人にはそのつもりはないものの、ケンカを売ってるようにしか取れない対応をしていたことが、その原因だと判明します。

しかしいつまでも治らない寝ぐせを丁寧に直してくれる瑠衣から、ケンカ腰に思えるような発言ばかりでも、彼女自身には本当に悪気がないことを思い出します。

そしてこれを機に、ナツオは話の受け答えの練習相手を買って出ます。

その結果、このやり取りがクラスに大ウケすることになりました。
(流れは画像でご確認ください。超面白いです。横並び表示になっている方は左→右の順です。)




そして、瑠衣が結構ノリの良い人間であること、瑠衣自身にクラスメイトと仲良くしたいという意思があること、また喋り方が上から目線でしか話せないことなど、瑠衣のキャラクターをクラスメイトに知ってもらえる形となり、瑠衣はまたクラスメイトと話ができるようになったのでした。
(こちらも横並び表示になっている方は左→右の順です。)


その夜、自宅に戻ったナツオは風呂で瑠衣とブッキングしてしまった際、瑠衣から今日のことでお礼を言われるのでした。
(そして、お風呂に一緒に入るかどうかは第4話へと続きます。)



ここから、今回のブログのテーマに入ります。

今回注目したのは、瑠衣がナツオの提案通りに話し方を変えることはできていないにも関わらず、結局クラスメイトと仲良くなれたことです。

「だって漫画での出来事だし(笑)」と切り捨てることもできますが、実は日常の場面でも参考にできるところがあります。

瑠衣はなぜクラスメイトと仲良くなることができたのでしょうか?

それは、クラスメイトが(吹き出し外で「そーゆーキャラってことね」と)発言しているとおり、瑠衣のキャラクターを知ることができた(自己開示ができた)からだと考えることができます。


ここで、アメリカの心理学者が提案した対人関係のモデル(考え方)の「ジョハリの窓」(考え提案したジョセフ・ルフトとハリー・インガムの2人のファーストネームから取られた名前です)をご紹介します。

自己像について、「自分と他人」「知っている部分と知らない部分」の2つを軸に4つに分け、それを窓に例えた考え方です。

「自分」というキャラクターは、

・自分も他人も知っている部分(開放の窓)
・自分は知っているが、他人は知らない部分(秘密の窓)
・他人は気付いているが、自分は知らない部分(盲点の窓)
・自分も他人も知らない部分(未知の窓)

に分けることができる、と考えます。

そしてこれを提案した心理学者は、「それぞれの窓に映る自己像を思い浮かべ、それを他人に知ってもらう(開示する)ようにして、開放の窓の部分を大きくしていくことが人とのコミュニケーションでは必要」と考えています。


それを踏まえたうえで今回の漫画の例を見てみると、

・仲良くなったのは、「意外とノリの良い自分」をクラスメイトに開示できたことが大きな要因になっていること
・仲良くしようと言われているにも関わらず「上から目線は変わらない」瑠衣ですが、それでも「そーゆーキャラってことね」と笑って理解してもらえていること
・ナツオとコミュニケーションを取り続けられているのは、ナツオと瑠衣が単純に付き合いが深いというだけでなく、瑠衣が「悪気のない人間」だということをナツオが知っているのが要因であること

がわかると思います。

特に2番目の例は「漫画だからそんな上から目線でも受け入れてもらえるんだ」と考えてしまいがちですが(そしてそれは大いにあり得ることですが 笑)、しかし実生活でも、仕事などでミスが多いにも関わらず「それがその人のキャラだし」と職場で受け入れてもらえている人がいることを思えば、漫画の例そのままというのも十分にあり得るのかもしれません。


コミュニケーションで悩んだときは、自分というキャラクターについて4つに分けて考え、見直してみることで、仲良くなりたい人が知らない自分を知ってもらうこと、また知らなかった自分に気づくことに努めてみてください。

もちろんそれによってつまずくこともあると思いますが、無理やり自分のキャラクターを作って無理やり仲良くなるよりも、きっともっと自然にコミュニケーションが取れるようになると思います。

機会があれば、ぜひ一度試してみてくださいね!


以上、自分を知ってもらうために役立つ考え方についてのご紹介でした。


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ファンだった方はもちろん、前作が気になっていた方も今ならすぐに追いつくことができると思います。

コメディ部分は少なめですが、マガジン同号掲載の「ちょっと盛りました。」で紹介されているように流石景先生が「衝撃的な話にしようと思って」作られた1話目から、刺激的な話が続いていると思います。

その中に随時登場する苦悩と成長もすごく共感できますし、引き込まれるお話になっています。

ぜひ一度、読んでみてくださいね!



ここまで読んでくださって、ありがとうございました!

(※ 掲載した画像は紹介作品からの引用で、著作権は作者および出版社にあります)

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