2014年3月13日木曜日

SOUL CATCHER(S) op.41「台頭」 (目標をどのくらいに決めれば、人のモチベーションは高くできる?)

今回は、週刊少年ジャンプ 2014年15号掲載、SOUL CATCHER(S) op.41「台頭」を例に、高いモチベーションを持つための目標設定のコツをご紹介したいと思います。


やりたいことが見つかったときや目先のことでも、何かをやるときには大体の目標を設定して、「そこまで頑張ろう」と考えて行動することって、よくあると思います。

ただ、この「目標」というもの、どこに設定すれば良いのかわからなくて悩むこと、多くありませんか?

「目標は高ければ高いほど良い」とよく聞きますが、本当にそうなんでしょうか。

その部分を、今回も心理学的なお話を交えてご紹介したいと思います。


(※※ ここからネタばれを含みます。ご注意ください ※※)


まずは、SOUL CATCHER(S) op.41「台頭」のあらすじから。

指揮者志望の主人公、神峰翔太(かみね しょうた)が所属する鳴苑(めいえん)高校から、アンサンブルコンテスト(少人数編成)の金管六重奏が、全国大会に出場することになりました。

結果は惜しくも銀賞だったのですが、その一方、神峰のライバルである伊調鋭一(いちょう えいいち)がアドバイザーとして関わった下無(しもむ)高校は、金賞を取ることができました。

その伊調が、 鳴苑金管六重奏の中心人物である金井淵涼(かないぶち りょう)を、自分の所属する竹風高校の吹奏楽部メンバーに勧誘するところから、今週のお話は始まっています。
そしてその勧誘の会話を盗み聞きする、神峰と聖月(みづき)。
3人ともに、金井淵の演奏に違和感を感じていたということがここでわかります。

違和感の原因はここではわからないものの伊調は金井淵を完璧なものにできると言いますが、結局金井淵は伊調の誘いを断ります。

勧誘騒動の一段落後、神峰が隠れていることに気付いた伊調に呼ばれると共に、2人の元へとどんどん、ライバルたちが集まってきました。また下の年代にも優秀な人材がいること、ライバルたちが金賞を取っていたり物凄い実力を持っていることに改めて神峰は気付き、自分にはまだまだやるべきことがあると身を引き締めます。

 


そして日が経ち、本年度最後のパートリーダー会議に神峰が呼ばれました。

各パートリーダーからさまざまに、やるべきことや考え方、取り組む方針などの報告があるなか、「神峰は次のコンクールで指揮を振るのか?」ということが話題となりました。

その話題に、顧問は「まだ決めていない」と答えます。


指揮者としてはまだまだ初心者であること、パートリーダー全員にはまだ認められていないことが挙がりますが、しかしそれがそのまま今やらせないという理由にはならない、ということを説明し、今決断しないことで最後の最後まで精進を続けるように、というのが顧問からの説明でした。

神峰はそれだけで十分希望が持てると答えます。

各々がそれぞれに目標を持ち、そして各々がコンクールに向けて、本格始動をしていきます。
(しかし来週は、その前のお花見イベントのようです 笑)



ここから、今回のブログのテーマに入ります。

今回注目したいのは、神峰がまだまだ初心者で、かつパートリーダー全員には認められていない状況でも、「やらせない」とは決めなかったことで十分に希望を持てたことです。


まず目標を立てるとき、どのようにして目標を立てるでしょうか?

よく聞くのは「目標は、高ければ高いほど良い」という話だと思います。
それに合わせて、もしくは特に深く考えることなく、最終目標をそのまま目標として掲げていませんか?

しかし、これは教育心理学では良い方法とは考えられていないようなのです。


教育心理学での考え方では、目標は

「頑張れば手が届きそう。けれど、頑張らなければ失敗しそう。」

というのがベストだと考えられているそうです。その理由について、いくつかの情報をご紹介します。


まず目標を決めるにあたって、注意したい点が2つあります。
「結果期待」「効力期待」という2点です。

これはそれぞれ、

「このくらいの努力をすれば、結果が出るだろう」という部分と

「このくらいの程度の努力であれば、その努力は続けられるだろう」という部分です。

例えば今のままでは合格が難しい大学に進学することを最終目標にしたとき、その方法として「毎日20時間勉強すれば、目標の大学には受かるだろう」という見立てをしたとします。

そうすると、確かに「それだけ勉強すれば大学には受かるだろう」という結果は期待できそうな気がしますが、「そんな努力を続けられるか」というと、なかなか難しいのではないかと思います。

逆に「毎日30分だけ勉強する」という目標を立てた場合、確かに続けることは比較的簡単ですが、それでは最終的な「大学合格」という結果を期待することができるかどうかは、微妙なところがあると思います。

それぞれ、「結果期待」と「効力期待」が足りないことで、目標を立てる意味が薄くなっていることがわかると思います。

今回の漫画の例は「結果期待」に関して、初心者であることは練習するしかないにしても「パートリーダー全員に認められる」ことは既に何人かが認めていることもあり、努力すれば無理なことではないと本人が感じていると考えられます。
「効力期待」の面でも、今までやってきたことを続けていくということなので、今まである程度できていたことから、十分期待できると神峰は感じられると思います。


また、最終的な目標がかなり遠いときには、「とりあえずの目標を立てる」ことも有効なようです。

ここで実際に行われた心理学の実験をひとつ、ご紹介します。

計算技能に問題があり、算数に興味を持たないと判断された児童40人を対象に行われた、算数のドリル42ページを使った心理学実験で、目標の設定を

「一日6ページを目標に勉強」
「七日で42ページを目標に勉強」
「目標設定なし」

にグループ分けして行った結果、全ての児童が同じ42ページの課題を終えることができたものの、「算数能力の向上」「やりとげられたという達成感(自己効力感)」には、同じ課題をしたにも関わらず、大きな違いが出たそうです。

「算数能力の向上」「やりとげられたという達成感(自己効力感)」がどちらも大きく見られたのは、「一日6ページを目標に勉強」をしたグループでした。

要因としては、大きな目標ではなく小さな目標にすることで、「課題をクリアした」という達成感を毎日得ることができたこと、また「結果期待」「効力期待」の面でも、小さな目標にしたために無理を感じることがなくなったことが考えられます。

以上の2点のメリットから、「とりあえずの目標を立てること」が効率が良いのが感じられると思います。

今回の漫画の例で見てみると、最終目標は「コンテストの金賞獲得」ですが、それがまず「パートリーダー全員に認められること」 という少し手前の目標に分けられていることがわかります。


最終目標は、今の自分では考えられない、とてつもなく大きな目標であることも多いと思います。

しかし本当に目標に到達したいのであれば、最終目標ばかり見るのではなく、どういうことを積み重ねていけば最終目標を達成できるかを考え、それを現実的な「とりあえずの目標」に小分けして対策する、というのが心理学から見る目標達成のためのコツです。

「とりあえずの目標」で達成感を感じつつ、現実的に目標へと近づいて行くようにしましょう!


以上、高いモチベーションを持つための目標設定のコツについてでした。

「SOUL CATCHER(S)」は、吹奏楽をテーマにした漫画です。

自分はなかなか読む機会がないジャンルであることに加え、思いっきり体育会系のノリも含んだ熱血な部分もあること、音を「視覚」「色」「味」などいろいろな形で捉えられる特殊性があること、そしてなによりも少年漫画っぽさがとてもあることなど、いろいろな要因で、今読んでいる作品のなかでも大好きな作品のひとつとなっています。

大きな大会も終わってちょうど区切りの良い回ですので、吹奏楽好きな方や少年漫画っぽい少年漫画が好きな方は、ぜひ一度目を通してみてくださいね!

(※ 掲載した画像は紹介作品からの引用で、著作権は作者および出版社にあります)
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