2014年1月20日月曜日

ウチコミ!! 第19話「大声援」(うまく記憶するためのコツ、忘れたことを思い出すためのコツ。)

今回は、週刊少年チャンピオン 2014年7号掲載、ウチコミ!! 第19話「大声援」を例に、うまく記憶するためのコツと、忘れてしまっていたことを思い出すためのコツについてご紹介したいと思います。


肝心な時に思い出せないことって、意外と多いと思います。

偶然、お世話になった人に久しぶりに会ったときに名前を思い出せないとか。
どこで会ったかや何の繋がりで会った人かを思いだせないけれども、顔は覚えているとか。

そういったものを思い出そうとするとき、実は人の思考がたどる道というのは、ほぼ同じなのだそうです。

「記憶」に関するいくつかの知識とコツを知っておくことで、覚えることも思い出すことも、今までよりもスムーズにできるかもしれません。


※※ ここからネタばれを含みます。ご注意ください ※※


まずは、ウチコミ!! 第19話「大声援」のあらすじから。


「ウチコミ!!」は柔道をテーマにした漫画で、主人公たちは5人の団体戦の練習試合に他校へと来ているところで、今回の話ではちょうどその先鋒戦が、主人公のチームメイトである祭田と相手チームの富士森とで行われている真っ最中です。

両者互いに譲らないまま試合が進み、終わりに近づいた頃、敵側の富士森は祭田を倒すべく「内股」という技をかけにいきます。

しかし祭田は過去に「内股」の上手い相手から何回もそれを受けていたこともあり、その経験からその技を空かすことに成功します。
 そして、その技を空かしたため両者は体制を崩し、組み合ったまま下へと倒れ込むようなかたちにになりました。

どちらが先に倒れてもおかしくない状況へと変わります。
上手く相手を倒せば、現在ポイントで負けている祭田にも逆転のチャンスがあります。

逆に富士森はポイントでリードしているため、しっかりと倒されない限りは彼の勝利となるシチュエーションになりました。

祭田は逆転のためになんとかこのチャンスにくらいつこうとするも、「ダメだ」と状況判断をします。

そして袖をつかんでいる手を離し、下に手を付こうと考えます。

しかしその瞬間に、視界に主人公が自分の袖をつかんで祭田にアピールしていることに気付きました。

そして「相手の袖をつかんで放すな」と彼にアドバイスをしたことを、祭田は思い出します。

その結果自分のアドバイス通り、袖を離さずにいたことで自分の元へ相手の腕を引き寄せることができ、祭田は相手を倒して勝ちを収めることができました。
(ここの描写がとても見ごたえのあるシーンなのですが、全てを載せてしまうとかなりの量になるので割愛します。良かったら実際のものを見てみてください!)



ここから、今回のブログのテーマに入ります。

今回注目したいのは、「主人公が自分の袖をつかんでアピールをしているのが視界に入ったとき、相手の袖をつかんで放すなと教えたことを思い出したこと」です。


まず、「エピソード記憶」というものをご紹介したいと思います。
(そこにたどり着くまで少し説明が長いので、あまり他部分に興味のない方は、次に「エピソード記憶」という文字が出てくるところまで、軽く読み流す感じでお願いします。 )


以前このブログで記憶に関してご紹介した際にもすこし出てきたのですが、記憶はいくつかの種類に分けることができます。 

まず、長期記憶と短期記憶に分けられます。
これは名前の通り、「ずっと覚えていること」と「今だけ覚えていること」の違いです。

例えば、小学校で習った九九や楽しかった時の思い出と、メモを取るまでの間だけ覚えておく雑多な内容の違いです。


さらに長期記憶は、宣言的記憶と手続き的記憶の2つに分けることができます。

手続き的記憶というのは、例えば自転車の乗り方など、いわゆる「体が覚えている」と表現されるものです。
特徴として「言葉で説明しようとしてもなかなか難しいもの」という点もあります。


宣言的記憶は、比較的言葉で表現しやすい記憶で、これもさらに2つに分けることができます。

それが意味記憶と「エピソード記憶」です。

意味記憶というのは、一般知識として自分についているものだと考えてもらえればわかりやすいと思います。
例えば「パソコンやスマホなどの電子機器は、電源を入れないと使えない」などです。

「エピソード記憶」というのは、上記と同じような例でいうと「パソコンやスマホなどの電子機器は電源を入れないと使えないという事実を知らなくて、友達に笑われながら教えてもらった」という感じです。

つまり、体験した事をエピソードとして覚えている記憶、ということです。
名前からもイメージしやすいと思います。


経験上知っている方も多いと思いますが、人間は「初めて知った」というのがない限り、知らないことばかりです。

「火は熱い」「熱い物に触ると火傷をする」など自分自身が持っている一般的な知識に、いろんな経験を経て徐々に覚えていったものがいかに多いかということは、なんとなくイメージできると思います。


説明が長くなりましたが、ここまで読んで頂ければ、今回祭田が体験したのが「エピソード記憶」からの連想であることがわかって頂けるのではないかと思います。

エピソード記憶から連想して思い出す、というのは記憶の分野のいろいろな本などで薦められていることも多く、勉強で暗記するだけではなく、さまざまな体験(エピソード)から、一般知識(意味記憶)を増やしていくことが頭に残りやすいとも言われています。

小学校の授業などで、実際にものを使って算数を体験するのはこれに当てはまると思います。

指を折り曲げて数を数えた記憶が、いつの間にか足し算として頭に入っている方は多いと思いますが、あの数の数え方なしに足し算を覚えようとするのは、なんとなく難しいことがイメージできると思います。


そしてここまでを踏まえた上で、もう一つのテーマである「忘れたことを思い出すためのコツ」について触れたいと思います。

たとえば、あなたは昨日した行動の記憶をどこまで詳細に思い出せますか?

朝と昼と夜、ご飯は何を食べましたか?
仕事や学校だった場合、どういった内容でしたか?
その行動の中でどんなことがありましたか?

などを思い出そうとしたとき、「夜ご飯のメニューは何だったか」など、単純に何かだけを思い出すというのは、よっぽど決まった内容を繰り返し行っていない限り、結構難しいと思います。

そんなとき、人は先ほど紹介した「エピソード記憶」として思い出そうとするだけで、すっと出てくるようになることが多くなるようです。


たとえば夜ご飯に関してなら、「誰と、どこで食べたか」や自炊なら「どこに行って何を買ったか」など、その事項に関わるヒントになることを、併せて思い出してみるのです。

一度やってみるとわかりますが、すっと記憶が出てくるだけではなく、それに関する前後の記憶まで流れるように出てくるのが感じられると思います。
(感じられなかった場合は、夜ご飯のメニューだけではなく他のことでも試してみてください。おそらく、すぐに体験できると思います。)

今回の「 ウチコミ!!」でも、主人公が袖を持っているのを見ただけで、試合中、しかも試合を決める大事な場面ですら、そのことをしっかりと思い出せています。


何かを覚えるとき、何かを思い出すときに役に立つ「エピソード記憶」。

良かったら、この漫画とこのブログを読んだ「エピソード」と共に、覚えてみてくださいね!


以上、うまく記憶するためのコツと、忘れたことを思い出すためのコツについてでした。


「エピソード記憶」に関しては、いつか何かのタイミングで、ぜひ紹介したいと思っていました。

唐突な話ですが、「漫画」って、「登場人物たちのエピソードを別視点で見るもの」といっても過言ではないと思うんです。

つまり、自分が体験していないものでも、漫画の登場人物たちが、さまざまなシチュエーションでいろいろなことを体験していくその世界に感情移入したり入り込んだりすることで、自分の「エピソード記憶」はどんどん増えていくと思うんですよ。

そういう点でも、漫画は知識を増やすのに役に立つと思うのですが、いかがでしょうか。

スポーツを取り扱っているものなどは特に、漫画に出てきたシチュエーションと併せていつの間にか大体のルールも覚えていた、とかありませんか?

もちろん、「実際に競技やってみたら、思ってたのと全然違うじゃん!」とか、「そもそも登場したルールがその漫画内だけの勝手なルールだった」とかもあるので、過信は禁物ですけど(笑)

(※ 掲載した画像は紹介作品からの引用で、著作権は作者および出版社にあります)
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