2013年12月23日月曜日

マギ 第207夜「カシムの墓」 (人が倒れていても、まわりが救助活動をしようとしないことがある??)

今回は週刊少年サンデー2014年2・3合併号掲載、マギ 第207夜「カシムの墓」を例に、人の命が危機に晒されていても、まわりの人が助けようとしないこともある例を紹介したいと思います。

自分の目の前で人命に関わるような事件が起きたりした場合、あなたはどうしますか?

普通に考えれば、目撃した人は警察に通報するなど、助けるための措置を取ると思われます。

しかし、実際には必ずしもそうとは言えないということが、心理学の実験や過去実際にあった事件などからわかっています。

それはどういったときに起こるものなのでしょうか?

この状況が起こる条件を知っていれば、身近でピンチの状況に出会ったときでも率先して、また意識して行動でき、「なぜ自分は動けなかったのだろう」と後悔することを防ぐことができます。


※※ ここからネタばれを含みます。ご注意ください。 ※※

まずは、 マギ 第207夜「カシムの墓」のあらすじから。

主人公の一人アリババは、煌帝国の傘下で共和国となっている、故郷バルバッドへと戻ってきました。

過去自分たちが起こした革命により貧困層の暮らしは改善したものの、煌帝国の傘下となっているために、過去に共に戦った仲間たちの現在の状況や変わってしまった街並みとあわせて、奉公人と呼ばれる、茶色の服を着る人間の存在を知ります。

その翌日、馬車に乗って総督府へと向かう途中に、荷車に子供が轢かれるという事故現場に遭遇します。
 周囲に人だかりができている中、子供を助けようとアリババたちが駆け寄り子供の状況を見たところ、左肩や腕の骨、肋骨を痛めてはいましたが、子供は医者に見せれば助かると思われる状況でした。

医者に見せようと相談していたところ、総督府への案内役がその行動は無用だと言います。
その理由は、「その子供は単なる奴隷だから」でした。
事故にあったのは、先日知った奉公人と呼ばれている奴隷の子供だったのです。

奴隷は国家の所有物であるため、むやみな手だしは処罰の対象となることから、子供を誰も助けることなく、全員が遠巻きで見ているだけの状況でした。

さらに、周りの人たちは処罰する側の人間から「上納点と配給量を減らされて飢え死にしたいのか!!」「とっとと失せろ!!」と言われ、子供を助けることを諦め、その場を離れて行きます。

なんとか目の前の子供は医者に連れて行ってもらえることにはなったものの、「誰かが良い思いをするために、他の弱い立場のヤツらが何されたっていいっていうのか?」とアリババは考えを巡らせます。

生活が以前よりも良くなり、奴隷に関する制度も「仕方ない」と受け入れて良いとは思えないまま、アリババは総督府へと尋ねていきます。



ここから今回のブログのテーマに入ります。

冒頭でも書きましたが、「医者に見せれば助かる子供」が目の前にいれば、助けるための行動を取るのが普通だと思います。

今回の話の場合ではむやみな手だしは処罰の対象となることから周りの人間は救助活動を行えていない状況も見られますが、それでも処罰を恐れず行動する人間がいてもおかしくはない状況です。
たとえば、その奴隷の子供の親や、雇い主として情が移っている場合、または自分の子供を事故で亡くしてしまうなど同じ状況を体験している人などが、それに当てはまると思います。


しかしそういった状況でなくても、「目の前で起きている危機を助けない」ということが、実は過去に事件として、実際に起こっています。

ニューヨークの住宅街で女性が刃物で刺されるという事件に、その状況が起きています。

この事件は、その女性が殺されるまでの間には30分以上の時間があり、かつ少なくとも38人の目撃者がいたにも関わらず、彼女を助けに出た人や警察に通報する人が居なかった、という事件です。


自分から助ける行動は怖くてできない可能性はありますが、目撃後に別場所から通報するくらいならできる可能性はあると思われますが、何故こういったことが起こるのでしょうか?


原因と思われることがわかる、心理学の実験を一つご紹介します。


ディスカッションに参加してもらう名目で、大学生が参加する実験です。
各自の匿名性が守られる状況を作るため、それぞれ1人ずつ個別の部屋に入り、インターフォンを使ってのディスカッションを行います。

そしてこのディスカッションの最中に一人の学生が発作を起こし、インターフォンで助けを求めます。
その緊急事態が発生した状況で、他の参加者が

1.実験者にこの緊急事態を報告するかどうか
2.報告する際は、どのくらいの時間がかかるのか

ということを調べる実験です。

ディスカッションに参加した人数は、発作を起こす役の人を含めて6人で、インターフォンは1人が喋っていると他の人は話せない状況での実験のため、発作を起こし助けを求めている状況のときは他の人とは話をすることができず、緊急事態の報告は部屋を出て実験者に直接報告する方法しか無いようにされていました。


その結果、6人での実験では60秒以内に実験者への報告をした参加者はわずかに31%で、残りの69%の人は報告しなかったという結果となりました。

ちなみに、同じ条件で人数のみ変えて実験を行ったところ、参加者が2人の場合は85%が、3人の場合は62%の人が、実験者への報告を行っています。


つまり、参加した人数=緊急事態に関わっている人数が多いほど、助けなければという意思は薄くなるということが考えられます。

これは、人数が多いと「誰かがすでに救助の連絡を行っているに違いない」や「自分が救助に参加しなかったことがもし言及されても、その責任は他の人にもある(分散する)」という考えから起こるものと考えられます。


困っている人の周りに人がたくさんいるほど、誰も助けないという状況が起こっている可能性があります。
可能であれば、自分は率先して声をかけるようにしてみてください。

少なくともそれをすることで、「あのとき声をかけておけば状況は変わったかもしれない」という後悔をすることは無くなります。


以上、人の命が危機に晒されていてもまわりの人が助けようとしない心理について、でした。

困っている人に気付いても声をかけるのはなかなか勇気のいることだと思いますが、そうすることで以前に

恋のキューピッド 焼野原塵 第5話「キューピッド サプライズをする」(自分を好きになるために必要なことって?)

でご紹介したとおり、自分を好きになるための感情を手に入れることもできます。


また、マギ第207夜ではアリババやモルジアナが率先して行動していて、彼らの人の良さがとても良く出ていると思います。

能力的にそのままの行動は自分ではできないにしても、実際に困っている人がいた場合は、せめて自分に何ができるのかを考えて、可能なら行動に移したいものですよね。

(ただし、そういう優しさに人を付け込もうとしている人がいるのも事実です。冷静に判断できるクールさも、できれば身につけておきたいものです。)


(※ 掲載した画像は紹介作品からの引用で、著作権は作者および出版社にあります)
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