2013年11月24日日曜日

アラタカンガタリ~革神語~ 第224話「遠い道程」 (人は追いつめられるとどうなる?)

今回は、週刊少年サンデー51号掲載、アラタカンガタリ~革神語~ 第224話「遠い道程」を例に、ひとが追いつめられることと、追いつめられた人間の残虐さについてご紹介したいと思います。

ニュースなどを見ていると、どうしてそんなことができるんだろう? と目を疑ってしまうような光景が再現され報道されているのを目にすることがあります。
今まで何も問題なく生活が送れていた地域ですら、状況が一変した途端に、モラルが一気に低下したように大変な問題が起こったりすることもあります。

これらは環境さえそろえば、意外に簡単に、しかも普通の人にでも起こることだというのは、あまり知られていません。


※※ ここからネタばれを含みます。ご注意ください ※※


まずはあらすじから。

前回の「アラタカンガタリ~革神語~」に引き続き、主人公の革は敵に捕まったままの状態です。
革を助け出そうと仲間たちが進んでいきますが、その途中の住民たちが彼らを捕まえようと襲ってきます。
住人達は領主の術によって「視界の自由」を奪われています。それを革の仲間を捕まえることで正常な状態に戻してもらえると領主に約束されていて、そのせいで武器を持つなど襲いかたがかなり激しくなっている様子が今回描かれています。


ここから今回のブログのテーマに入ります。

普通の生活を送っている状況で、追いつめられた経験がなければ、どれだけ追いつめられても自分が人を襲ったりすることはなかなかイメージしにくいものだと思います。

しかし心理学の実験では、自分は関係ないとは言えないような結果が出ています。


まず「そんな簡単に人間は追いつめられるのか?」という疑問があります。

これは「感覚遮断実験」という実験が参考になります。
「人間は何もない空間でどのように発狂するか」という実験なのですが、水・食糧・空気が確保されたカプセルのような空間など、外部からの刺激が遮断された状況で実験の参加者を閉じ込めたとき、参加者は口笛を吹いたり一人言をいったりするようになった後、意外に早い段階で幻覚を見たりするようになり、ギブアップするそうです。

しかもこの感覚遮断から解放された後には、方向感覚がずれたり、計算や論理的に考える能力の低下が見られるそうで、人間は環境次第で簡単におかしくなってしまうことがわかっています。



また「追いつめられたからといってそんなに残虐な行動を起こすのか?」という疑問もあると思いますが、こちらは「監獄実験」や「ミルグラム実験」という実験が参考になります。

「監獄実験」では、実験の参加者である普通の大学生を囚人役と監守役に分け、実際の監獄に近い環境で実験を行っています。

その結果、数日経つと監守役は誰に指示を受けたわけでもないのにも関わらず、自ら囚人役に罰則を与えるようになります。
またさらに日数が経つと、実験にも関わらず、そして実験での暴力は禁止されていたにも関わらず、監守役による暴力も開始され、2週間を予定していた実験は、実験参加者の家族が弁護士をつれて中止を訴えることにまで発展し、わずか6日間で中止となりました。
元々の人格は関係なく、与えられた役目と環境によって、人間は簡単に暴力をふるってしまうことがわかっています。

また「ミルグラム実験」では、教師役と生徒役に分かれて実験が行われます。
実験参加者は教師役になります。

教師役(実験参加者)は、生徒が単語テストで間違えたときに電気ショックを与えるように指示されます。(実際には与えられず、生徒役が迫真の演技をします)
また、間違えた際には徐々に電気ショックが強くなっていきます。

実験が進むにつれて生徒の反応は激しさを増していくため、教師役は途中で止めることを提案したりするのですが、白衣を着た権威のありそうな男が執拗に「続けてください」と勧めたところ、自分に責任が及ばないことを確認した上で、かなりの刺激を与えるところまで(生徒役が壁を叩いて実験中止を求めるリアクションを取るところまで)は中断する人がいなかったという結果が出ました。
また30~40%ほどの人は、生徒のリアクションを見たり聞いたりしていても、生徒役が無反応になるまで実験が進むという結果も出ました。

この実験参加者は、もちろん脅迫など何のプレッシャーも与えられていません。それにも関わらず、「止めてくれ」という生徒役のリアクションを見たり聞いたりしても、止めない結果が出ています。


これらの結果から、人は環境によっては簡単に追い詰められ、残虐な行動を起こす可能性があることがわかっています。


以上、追いつめられた人間の残虐さについての紹介でした。

あまり本編と関係ないシーンの紹介ですいませんでした。^^;
ただ有名な実験だということと、「こういう残虐なことが起こるのは漫画とかフィクションの中だけ」と考えなくても済むように、一度紹介したいと思っていたので、この機会にさせて頂きました。

「アラタカンガタリ~革神語~」はいま、捕えられた革のもとに仲間がたどり着くところまできて、もうすぐ決着がつくかもしれないところまで来ています。
「アラタカンガタリ~革神語~」に興味のある方はこの機会をお見逃しなくー!^^


「アラタカンガタリ~革神語~」
やっとの思いで出来た友達に裏切られ、絶望の底にいた「革」と、統治者の秘女王(ヒメオウ)を暗殺したと濡れ衣を着せられ逃亡する「アラタ」がそれぞれ居た世界と入れ替わり、「革」が瀕死の統治者の元へ劍(ハヤガミ)を届けるべく、その世界の戦いに巻き込まれながら”革らしさ”を武器に進んでいく物語。



オススメポイント:弱さを強さに変える主人公と、それに周りが惹かれたり反発したりしながら進んでいく物語性

(※ 掲載した画像は紹介作品からの引用で、著作権は作者および出版社にあります)

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